本紙掲載日:2023-02-21
(2面)

みんなで「防災を考える日」

外階段から外来棟2階屋上に避難する地域住民(11日、門川町の済生会日向病院)
講演する早田蛍さん

門川町で一斉避難訓練など

 町民みんなで防災について考えようと、門川町は11日、「防災を考える日」として町内一斉の避難訓練や防災に関する講演会、防災士のスキルアップ研修会に取り組んだ。

 町内一斉避難訓練は南海トラフ巨大地震を想定し、午前8時の地震発生を受けて、同8時3分に防災行政無線で大津波警報を発令。町民に高台への避難を呼び掛けた。

 このうち、同町南町の済生会日向病院外来棟2階屋上には、南町1区と同2区から地域住民約60人が非常時持ち出し袋などを背負って避難した。

 これまでの訓練では、院内を通過して病棟5階屋上へ避難していたが、コロナ禍で院内を通過できないため、今回初めて外階段を利用し、外来棟2階屋上へ避難した。

 1区区長の黒川信好さん(76)は「いざという時の行動は日頃の訓練あってこそ。自分の身は自分で守るという意識を、さらに高めていきたい」、2区区長の金丸敏光さん(71)は「避難場所としての安全性など、避難してみて初めて感じることもあった。今後の訓練に生かしていきたい」と話した。

◆災害から身を守るために−気象予報士の早田さん講演

 また、防災士のスキルアップ研修会と防災に関する講演会は、同町南町のクリエイティブセンター門川で行われた。

 このうち講演会には町民約80人が参加。熊本県を拠点に活動する気象予報士で防災士の早田蛍さんが、地域の災害リスクを知ることや、災害から身を守るための知識を持つことの大切さを伝えた。

 具体的には、▽自治体が作成している洪水、土砂災害、高潮、津波などハザードマップを全て見ておくこと▽宮崎地方気象台の早期注意情報(警報級の可能性)や気象庁のキキクル(危険度分布)など役立つ気象情報を知ることとアドバイス。

 実際に、2020年7月豪雨による熊本県人吉市の浸水被害は「100%、ハザードマップで示されていた範囲内だった」として、「ハザードマップを見ておくことは被害の予告を知ることにつながる」。また、役立つ気象情報については「意外と知られていないが、とても分かりやすい。ぜひスマートフォンにブックマーク登録しておいてほしい」と勧めた。

 早田さんは、こうして知った災害リスクや集めた気象情報などを基に、いざという時の自分や家族の行動を考える「マイタイムライン」についても説明。
「警戒レベルや避難情報に応じて行動をシートに書いてみることによって、頭で考えていたことが形として見えてくる。つまり先の先が見えてくる」。ただし一方で「気を付けてほしいことも。マイタイムラインはあくまで行動の目安。参考にしながらも、身の危険を感じたら避難情報を待たずに臨機応変に避難してほしい」と呼び掛けた。

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