本紙掲載日:2023-02-23
(1面)

都市圏の高スキル人材を活用

スキルシフトの利点を語る副業・兼業人材活用推進セミナーの登壇者ら(延岡市コワーキングスペース)

新たな事業拡大を−延岡市でセミナー

◆延岡の産業を域外とつなぐ

 「副業・兼業人材活用推進セミナー」はこのほど、延岡駅西口街区ビル内の延岡市コワーキングスペースであり、参加した約20人の地元経営者らは都市部の外部人材を雇用するという、新たな事業拡大法などについて学んだ。主催は市や延岡商工会議所、金融機関、企業などで構成する延岡経済リンケージ機構(会長・読谷山洋司市長)と、ビジネス仲介業などのATOMica(アトミカ)。

 同機構は、都市部の大企業などで働きながら副業・兼業を希望する有能な人材と、地方の中小企業を、インターネットのサイト上で仲介しているスキルシフト社と提携。雇用した人材に依頼する業務は企画・戦略面に特化し、通常は現地には訪れずにオンラインを通じて経営者らと打ち合わせする。

 初期費用(求人掲載料9万8千円)を機構で負担し、地元企業は比較的安価な対価(月4万円程度)で雇用できる利点があり、現在までに30社が利用登録しているという。

 セミナーでは、全国各地でプロ人材の仲介を手がけるみらいワークスの前川遼さんが「副業・兼業人材活用のススメ」をテーマに講演。都市部に人材が集中して地方企業が行き詰まる一方、大手企業の優秀な人材は「ライスワーク(食べるための仕事)ではなく、地方の中小企業にライフワーク(やりがい)を求めている」と紹介した。

 多くの中小企業が求人募集に苦戦する中、スキルシフトは応募率99%を達成しているとPRし、その理由は「人材側がやってみたい求人ばかりを集めているから」と説明。応募してくる人材は十分所得があるので「地方で稼ぐつもりはないが、本気度が高い」と話し、得難いパートナーと出会えるチャンスだと強調した。

 この後、スキルシフトで副業人材を雇っている岡田花店(中川原町)の岡田明利社長と白谷塾(平原町)の白谷皓司社長が事例を発表。求人や選考の経緯、現在までの成果を報告した。

 岡田社長は輸入玩具(プラスチックボール)の販路を全国に拡大しようと求人募集したところ、5人から応募があり、キャリアではなく人柄で採用したと紹介。「うまくいかなくても一緒に悩んでくれる」という仲間との出会いを喜んだ。

 白谷社長はオンライン塾の生徒増を目指して試しに人材を募集した結果、「オンライン(の面接ややり取り)で不安もあったが、今では会いに行きたくなるくらい」と厚い信頼感を説明。新たに始めた教材の販売も好調で、スキルシフトについて「それほどハードルは高くない。現地に来なくても心は通う」と来場者にも勧めた。

 スキルシフトに関する問い合わせは延岡市工業振興課内の延岡経済リンケージ協議会事務局(箟箍22・7035、メールkougyo@city.nobeoka.miyazaki.jp)。

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