本紙掲載日:2023-02-23
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新たな学びのフィールド構築

延岡市ICT活用し授業−新年度予算案に計上

◆不登校児童生徒の学習を支援へ

 延岡市は2023年度から、「誰一人取り残さない『新たな学びのフィールド』構築事業」に取り組む。拠点から専門スタッフがICT(情報通信技術)を活用して授業を行い、不登校児童生徒の学習を支援するもので、2学期の本格始動を目指す。事業費3318万円を盛り込んだ23年度一般会計当初予算案を、24日開会予定の市議会定例会に提出する。

 市教委によると、新型コロナウイルスの影響もあって公立小中学校において不登校の児童生徒数は増加傾向にあり、昨年11月末時点で201人。市教委のアウトリーチ・オアシス教室も、毎年中学生を中心に40人ほどの利用があるという。

 新たな学びのフィールドの構築は、学校に登校できず、オアシス教室にも行くことができない児童生徒への支援が目的。同教室は学校復帰を目指し学習支援や授業を行っているが、今回の取り組みは、オンラインで授業や学習支援を行うなど、学習内容の完結を想定しており、子どもが社会とつながり、学びが継続できる仕組みをつくる。

 澤野幸司教育長は、「1学期の間にどのような学びが必要か、どのようにいざなっていくのか準備を整え、2学期からスタートさせたいと考えている」と話した。

 構築には、熊本市の教育ICTを活用したオンライン学習支援「フレンドリーオンライン」を参考にし、カリキュラムを作っていく予定。子どもたちや保護者に存在を知ってもらうため、周知も時間をかけて行う。

 出席扱いとするかも含めて検討予定で、「オンラインのみでの不登校特例法のようなものは国として認めていないため、その辺りをどうするかは、事業を進めながら考えていかないといけない」と澤野教育長。

 オンラインを基本に、スクーリングのような対面指導も考えているが、対面が前提となることで児童生徒が参加しづらくなることは避けたい考え。「まずはオンラインで参加することを第一に考えたい」と話した。

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