本紙掲載日:2023-02-25
(1面)

変えよう「医療のかかり方」

「地域医療市民交流会」で発言する参加者(18日、延岡市民協働まちづくりセンター)

来年4月から−医師の働き方改革

◆延岡市と日南市−守る会が交流会で確認

 延岡市と日南市でそれぞれ地域医療を守る活動をしている市民グループの交流会「地域医療市民交流会」が18日、延岡市の市民協働まちづくりセンターであった。

 日南市の「にちなん地域医療市民サポーターズ」(本田チエ代表)から研修目的で申し込みがあり、9人が来延。延岡からは「宮崎県北の地域医療を守る会」(廣瀬武男会長)のほか、健康に関する寸劇で啓発活動をしている「のべおか元気かい」(芝崎美佐子代表)のメンバーら21人が出席した。来年4月には、医師の働き方改革(時間外労働の上限規制)が始まることから、適正受診(時間外の安易な受診の自粛)の啓発がますます重要になることなどを確認し合った。

 交流会では、にちなんサポーターズと県北の守る会が、互いに活動内容を紹介した。

 にちなんサポーターズは、日南市が開いた地域医療リーダー養成講座「日南塾」のOB会として発足し、将来、医療関係への就職を希望する高校生も参加しているという。市民啓発には延岡と同じく寸劇も行っている。不足している医師を増やす方策を考えるため、銀行から講師を招いたところ「人口減少地域での開業は難しい」との現実を突きつけられ、やはり医療の受け方を変えるしかないという結論に至った−と、大富明美副代表が話した。

 延岡市は、市民が守る会を結成した後、市町村としては全国初の「地域医療を守る条例」を制定し、適正受診や日頃からの健康管理を市民の責務と定めるなど、官民一体となった活動が全国的に高く評価されている。

 守る会の福田政憲事務局長は、2009年、県立延岡病院医師の大量退職で地域医療崩壊の危機に直面したことが会発足のきっかけだったこと、官民での啓発活動が奏功して、いわゆるコンビニ受診が減り、同病院の時間外受診患者数は、07年のピーク(9237人)から5年で半減したことなどを話した。

 医師の働き方改革については「医師が働きすぎると、病院長が罰せられてしまう。地域医療を守るためには、われわれ市民団体が連携して『医療のかかり方改革』を呼び掛けていく必要がある」と話した。

 にちなんサポーターズの本田代表(77)は「(延岡の皆さんは)地域やメディアを巻き込んで活動されていてすごいと思った。私たちも地道だが、負けないように頑張りたい」、守る会の廣瀬会長(77)は「私たちの活動が参考になればうれしい。(日南では)高校生が活動に参加しているという話が印象的だった」と話していた。

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