本紙掲載日:2023-03-02
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空の先駆者、後藤勇吉をしのぶ

後藤勇吉像に弔歌をささげる延岡小4年の児童(2月28日、延岡市の妙田緑地公園)

銅像前で慰霊祭−延岡顕彰会

 延岡市出身で「空の先駆者」といわれる日本初の民間パイロット後藤勇吉の慰霊祭が、命日の前日となる2月28日に同市東浜砂町の妙田緑地公園の後藤勇吉銅像前であった。後藤勇吉延岡顕彰会(柳田慎司会長)、母校の延岡小学校の4年生、行政、延岡商工会議所など関係者約100人が出席して遺徳をしのんだ。

 慰霊祭は1988年から開催しており、今年で96回忌になる。出席者全員で黙とうをささげた後、延岡小の児童58人が「故・後藤飛行士弔歌」を合唱。延岡商議所女性会の松田一美会長と顕彰会の柳田会長が像に花をささげ、出席者全員が順に献酒した。柳田会長は「時代は流れど、後藤勇吉のやってきた功績は変わることはない。今後とも皆さんのご協力を得ながら、功績を後世に伝えていきたい」とあいさつした。

 後藤勇吉は1896年、現在の南町に生まれた。旧制延岡中学校(現在の延岡高校)を卒業と同時に上京し、1921年に日本で第一号の一等操縦士、一等飛行士の免許を取得した。その後、日本初の旅客輸送や郵便輸送に成功するなどの旅客輸送空路の開拓、日本一周飛行にも成功した。また、宮崎から大阪へ日向カボチャなどを輸送した生鮮農産物空輸を実現させ、販路拡大に大きく貢献した。しかし、28年2月29日、長距離飛行訓練中に現在の佐賀県鹿島市で墜落。享年33歳。

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