本紙掲載日:2023-03-07
(1面)

梅田学宏さんに栄冠−延岡市北浦町

表彰状を手にする梅田学宏さん(左)と喜香さん

さつまいも博2023ファーマーズ・オブ・ザ・イヤー

◆全国から5人、県内初の受賞−耕作放棄の水田を転用・生産技術を絶賛

 延岡市北浦町三川内歌糸でサツマイモ作りに取り組んでいる農業法人・喜郷(ききょう)ファーム代表の梅田学宏(みちひろ)さん(39)が、2月に埼玉県で開かれた「さつまいも博2023」の「日本さつまいもサミット」で、優秀な生産者に贈られる「ファーマーズ・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。

 「さつまいも博」は日本最大のサツマイモの祭典で「サミット」はそのメインイベントの一つ。全国からユニークで優れた生産者を見いだし、その魅力を伝えることで生産者のモチベーションを向上させ、サツマイモへの関心を高めることを目的としている。

 今回、ファーマーズ・オブ・ザ・イヤーには全国で5人が選ばれ、梅田さんは県内から初の受賞。有機農法に加えて、町内で耕作放棄地となった水田をサツマイモ作りに生かしていることが高く評価された。

 水田をサツマイモ栽培に転用する効果的な方法はまだ確立されていないといい、梅田さんもその年の気候や土の保水状態を観察しながら、試行錯誤を繰り返している。水はけが悪いと、イモが傷んでしまう厳しい条件の下で、高品質なイモを生産していることが審査員を驚かせ、絶賛された。

 農業を始めて7年、脱サラして専業でサツマイモ作りに取り組むようになって5年、喜郷ファームを立ち上げてからは3年目になる。現在は、町内30カ所の計5ヘクタールで、人気品種の「紅はるか」や「シルクスイート」を栽培する。収穫から2カ月ほど貯蔵し、おいしさを引き出した梅田さんのイモは自然食品の通販会社で高い人気を誇るほか、市のふるさと納税の返礼品としても喜ばれている。

 長期保存にもっとも適した時期に収穫し、低温貯蔵庫で保存することで年間を通じた出荷を可能にしたことも特長。喜郷ファームに希望を見いだし、田畑を託す地元の人も増えてきたという。

 妻の喜香(はるか)さん(39)と一緒に表彰式に出席した梅田さんは「自分のサツマイモを全国に届けたいと思って参加したサミットですが、評価していただき、やってきて良かった」と振り返る。

 今年度もさらに事業を拡大する計画で「耕作放棄地を何とかしたいという思いと、地元の後輩たちが『ここで働きたい』と思えるような会社をつくりたいという思いでやってきました。これからもそれは変わりません。おいしさで勝負する『サツマイモ・オブ・ザ・イヤー』も目指していきたいですね」と意欲を口にしていた。

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