本紙掲載日:2023-03-07
(2面)

ご神木の枝でしおり製作

卒業記念・小6生にプレゼント−高千穂


◆地元愛−本を開くたびに思い返して

 高千穂町立押方小学校(尾浩一校長、34人)で2月21日、同町から卒業記念品の贈呈があり、6年生5人が神社のご神木で作られたしおりを受け取った。

 祖母・傾・大崩地域がユネスコエコパークに認定された2017年の新入児童に「尖峰と渓谷が育む森と水、命の営みを次世代へ」という認定趣旨を理解し、世界へ誇る高千穂の自然で育った自覚や愛着を持ってもらおうと、同町の地域おこし協力隊、甲斐有香さん(42)が企画。町の後押しで実現した。

 しおりには、地元の菊ノ宮神社の折れたご神木の枝を使用。手製の木工品を多く手掛ける工房がカンナで1枚ずつ丁寧に削り出し、表面を滑らかに磨き上げた。

 祖母の「S」、傾の「K」、大崩の「O」、守り継承する心と貴重な動植物の象徴「ニホンカモシカ」、認定地域に含まれる6市町(高千穂、日之影町、延岡市、大分県竹田、豊後大野、佐伯市)を意味する緩やかな6角形で包んだロゴマークを焼き入れ、木の香りやぬくもりが感じられる仕上がりとなっている。

 贈呈式では、ユネスコエコパークが担う三つの機能と区分に関する解説などが行われた後、甲斐さんが一人一人にしおりをプレゼント。受け取った児童はうれしそうに、しおりの香りを楽しむなどしてふるさとの自然の素晴らしさを感じ取っていた。

 飯干愛奈さん(12)は「高千穂町がユネスコエコパークだということは初めて知ったのでびっくりしたけど、うれしい気持ち。読書が好きなので大切に使いたい」と笑顔。

 甲斐さんは「子どもたちがユネスコエコパークの取り組みや趣旨を知り、次世代へ思いをつないでいくきっかけになればと企画した。本を開くたびに地元愛を思い返してもらえたらうれしい」と目を細めた。

 この日はまた、高千穂小学校を卒業予定の6年生53人にしおり贈呈。今月2日までに残る岩戸、上野、田原小学校の6年生計37人に同じ品を贈った。

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