本紙掲載日:2023-03-10
(1面)

持続可能な下水道事業へ

日向市公共下水道事業計画の市民検討委員会

市民検討委が発足−日向市

 人口減少や燃料費高騰など社会情勢の変化に対応する持続可能な下水道事業への見直しを図る「日向市公共下水道事業計画市民検討委員会」がこのほど、市役所で開かれた。同事業の現状や課題を基に今後の下水道事業整備の方向性について提言書をまとめ、来年度中の下水道事業計画変更に向けて市民の意見などを反映させる。

 市は昨年3月の市議会定例会で「同事業会計について、将来人口や財源の推移、合併処理浄化槽の普及促進などを勘案しながら、計画エリアの総合的な見直しに努めること」との付言を受けていた。

 検討委は学識経験者や市民団体、経済団体の代表、市民公募委員、関係行政機関を含む9人で構成。市役所であった初会議では、委員長に宮崎大学地域資源創成学部長の桑野斉教授、副委員長に市区長公民館長連合会の日高辰彦理事を選んだ。

 冒頭、桑野委員長は「下水道事業は持続可能性という点が、今後ますます重要になってくる。未来視点、将来を見据えた形で考えていきたい」とあいさつした。

 会議では、市の事務局が下水道の役割、市内の汚水処理の現状、普及率、使用料収入の推移、1987年10月の供用開始から価格改定がないことなどを説明。下水道事業を取り巻く課題と、そのリスクとして、/邑減少に伴う使用料収入の減少、執行体制の弱体化∋楡澆力卦牴修砲茲觧楡濆洪携駘僂料大、節水機器の普及による汚水の高濃度化による処理コストの増加G大な残事業費に伴う事業の長期化、負担公平性の不均衡、燃料費などの上昇による資金ショート─などを指摘した。

 その上で、身の丈に合った持続可能な生活排水対策への転換、次世代を担う子どもたちへ責任ある計画への展開を検討委へ提案。具体的な施策として、公共下水道事業の全体計画区域の縮小や見直し、代替施策としての合併浄化槽への転換促進を挙げた。

 委員からは「下水道と合併浄化槽の汚水処理能力に差はあるのか」「下水道会計の保有現金が近年、急激に減っている理由は」「合併浄化槽の設置への補助金を検討しては」などの質問が出され、事務局は「同等の処理機能を持っており、性能的には変わらない。防災の観点からもリスクの分散につながるというメリットもある」「起債償還がピークの時期。今が一番きつい状態」「推進への拡充は引き続き検討したい」などと答えていた。

 検討委は今年10月までに4回程度の検討会を開催予定。市民説明会やパブリックコメントを実施するなどして提言書をまとめ、来年度中の下水道事業計画変更への反映を目指す。

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