本紙掲載日:2023-03-10
(3面)

美化活動でごみも減少−高千穂町

「天真名井」周辺を視察する検討委員ら
県西臼杵支庁で開かれた検討委員会

19回目の検討委、天真名井周辺を視察

◆神代川再生へ着々と

 高千穂町三田井を流れる神代川沿いの景観整備などについて検討する神代川河川再生計画検討委員会(委員長・杉尾哲宮崎大学名誉教授)は9日、県西臼杵支庁で「第19回検討委員会」を開いた。県内外の学識経験者や地域住民代表、行政関係者ら約20人が出席。修景工事が進む同町三田井の「天真名井」周辺を視察し、今後の方針などを話し合った。

 この日はまず、杉尾委員長の進行で、事務局が同所の護岸修景工事や擬岩コンクリート落差工による落水音軽減対策の結果を報告。散策路沿いの木柵と今月から架け替えを始める眞名井橋について、デザイン案や設置範囲を説明した。

 現地で出来栄えなどを確認し、庁舎でフィードバックを実施。地域住民代表からは「街灯などの人工感をもっと軽減できないか」「河床の景観が昔に戻っているような感じがしてうれしくなった」などの声が聞かれた。

 その後、神代川流域で行った各調査内容を共有。有志による美化活動の成果もあって河川ごみが少ない一方、生活雑排水などの混入で時折濁りや泡立ち、臭気を伴った水質になることが課題点として挙がった。

 また、水量確保に向けて上流付近の139世帯を対象に行ったアンケート調査により、掘り井戸8カ所、湧き水6カ所の水源が確認できたとするデータを提示。住民感情などに十分配慮しながら調査、検討を継続するとし、今後のボーリング調査候補地などについて意見を交わした。

 同検討委は、神代川の豊かな自然と景観を再生し、地域とのつながりを取り戻そうと2011年11月に発足。14年1月作成の「神代川かわまちづくり計画書」に基づき、地元関係者らでつくる「神代川かわまちづくり推進協議会」と連動した取り組みを行っている。

 計画は、高千穂地域の持つ神話・歴史という文化資源を生かす▽水循環の復活を実現する▽地域の人々の生活・文化と直結し、地域のにぎわいを復活する――を基本理念としており、23年度中の完了を見込んでいる。

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