本紙掲載日:2023-03-10
(7面)

ふるさとで堂々と発表

若手演奏家5人出演−ジョイントコンサート

 県北出身の音楽を学ぶ若手演奏家が日頃の成果を発表する「第57回ジョイントコンサート」が2月25日、延岡総合文化センター小ホールであった。恩師、友人、家族らが見守る中、5人が堂々と演奏した。

 コンサートは、現役の音大生らが日頃の勉強や練習の成果を地元の人たちに発表し、学生同士の親睦を図ることを目的に毎年実施。昨年からは出演者を30歳以下の若手演奏家に広げている。

 高校生−一般5人が出演した今回は、最年少の梅橋睦実さん(大分県立芸術緑丘高1年)のフルート独奏で幕開き。鍋島美央さん(平成音楽大3年)がチェロ独奏、福富奏子さん(鹿児島大卒)、大友未夢さん(東京音楽大3年)がピアノ独奏、岸田憲明さん(平成音楽大4年)がバリトン独唱と、少人数ながらバリエーションに富み、来場者を楽しませた。

 ほとんどが昨年も出演しており、1年前よりさらにレベルアップした演奏を披露。来場者からは「成長を見ることができるのがうれしい」との声も聞かれた。

 このうち大学で本格的に声楽を学び、「4年間を締めくくる音楽を届けたい」と意気込んでいた岸田さんは3曲歌った。「くちなし」(高野喜久雄作詞、眦鳥囲査邏福砲蓮庭のクチナシの木を見て亡き父を思い出す内容の歌詞。岸田さんは高校2年の時、父の秀文さん(享年52歳)を病気で亡くしている。情感のこもった歌声と成長した姿に、客席の家族や恩師らが涙を流していた。

 「亡き父への思いは共通する部分が多く、自分の思いを乗せて作品を届けようと思った」と岸田さん。涙が止まらなかったという母・征子さん(52)は「歌って本当にすごい力がある」。思いが届いたようだった。

 5人の演奏後は、伴奏者も登壇し、来場者と「ふるさと」を合唱。実行委員長の岸田さんは、「コロナ禍で開催できたことをうれしく思う。音楽は私たちを元気づけてくれるものだし、必要なものだと改めて感じた」とあいさつした。

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