本紙掲載日:2023-03-11
(3面)

酒井歩羽花さん(富島高1年)が優秀賞

県防災小説コンテストで優秀賞を受賞した酒井歩羽花さん

最優秀賞1点、優秀賞2点−県防災小説コンテスト

 県民の防災力を高めることを目的として、県が県内の高校生らを対象に初開催した県防災小説コンテストで、日向市の富島高校1年の酒井歩羽花さん(16)が優秀賞を受賞した。表彰式は5日、宮崎市のイオンモール宮崎で行われ、河野知事から表彰状を受けた。

 コンテストは、近い将来に南海トラフ地震の発生が懸念されていることを受け、防災小説づくりを通して地震発生を自分の生活に落とし込んでイメージし、考えるきっかけにしようと実施。応募があった523作品の中から最優秀賞1点、優秀賞2点が選ばれた。

 酒井さんの作品の題名は「日常のありがたみ」。学校の体育館で部活動中に地震の強い揺れに襲われ、黒い津波がまちをのみ込んでいく光景に恐怖を感じながらも、幼い頃から行ってきた避難訓練で学んだ教えに従い、友人らと高台に無我夢中で逃げた経緯などを描写。

 助かった自身の今後の役割を「訓練の大切さと、地震や津波の恐ろしさを後世に伝えていくこと」と自戒し、「大切な人と手を取り合って強く生きていくべきだとこの地震で学んだ。当たり前だと思っていた日常に感謝し、前を向いて歩み続けたい」とつづった。

 最優秀賞は作品名「絶望の中のクリスマス」で中谷一路さん(佐土原高校1年)、もう一人の優秀賞は「置き紙」で東野結斗さん(高鍋高校1年)が受賞。表彰式には中谷さんと酒井さんが出席。知事から「受賞をきっかけに防災メッセージを伝えていってほしい」と激励を受けた。

 酒井さんは「うれしい。どうすればみんなが楽しく、明るい未来を過ごせるかに着目した。自分と家族、友人を守るために地震や災害について考えるとともに、避難訓練などを考えながら行って、いつ発生してもみんなが助かるよう心掛けていきたい」と話していた。

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