本紙掲載日:2023-03-15
(7面)

地元海岸の風景描く−延岡・南浦中

3年生4人が学校プールの壁面に

 卒業を前に、延岡市立南浦中学校(濱下裕二校長、13人)の3年生4人が7日、時間が経過し色あせていた同校プールの壁面に須美江海岸の風景を描いた。1日かけて完成させた生徒たちは「地元の海が描けてうれしい」と誇らしげだった。

 校区内にある熊野江、須美江、浦城の三つの海岸を3年かけて描き、完成させる計画の2年目。古くなったプールの壁画を新しくしてほしいと要望を受け、美術の非常勤講師・安在博二さん(62)が計画を立てたという。

 安在さんは、事前にカメラで撮影した海岸の写真を3枚つなげ、線を入れて分割した設計図を基に壁面に下書きした。

 この日、生徒は午前中に空、海、山、砂浜を役割分担してペンキで下塗り。午後は4分割した自分の持ち場を、雨などに強いアクリル絵の具で波を描いたり、陰影を付けたりと、細かな仕上げ作業を行った。

 中川永理さんと木津陽さんは「昨年先輩たちがやっているのを見て、楽しみにしていた。卒業しても残るのがうれしい。学校に来た人が、『実際に見に行きたい』という気持ちにつながったらうれしい」と話した。

 自分たちで計画し、全校生徒で海岸清掃をし、海岸のごみを減らす研究をするなど、海岸と密接に関わってきた生徒。休日によく、海岸で清掃活動を行っているという小野湊聖さん、上妻大心さんは「僕らしかいない、恩返ししたいという気持ちで、楽しみながら続けています」と話し、「この壁画が、いつまでもここに学校が在り続けるきっかけの一つになれば」と望んだ。

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