本紙掲載日:2023-03-17
(3面)

ひきこもり対策をアドバイス

ひきこもり対策について小西さんの話に耳を傾ける受講者

元法務局専門官の小西さん−延岡市が研修会

◆課題、交流なく認知されにくい−近所でネットワーク、通報を

 延岡市主催の「ひきこもり・ヤングケアラーへの共通理解と支援に係る研修会」がこのほど、市役所講堂であり、元法務省矯正局法務官教育専門官の小西好彦さん(早稲田大学教育学部心理学専修非常勤講師)が、ひきこもり対策を中心とした当事者の早期発見に向けてアドバイスした。

 小西さんはひきこもりとは、6カ月以上にわたり、仕事や学校だけでなく他者との交流もない状態のことだと説明。世間体を気にして当事者の家族も地域から孤立しがちで、親の高齢化や家計の悪化で初めて表面化するケースが後を絶たず、社会問題になっていると報告した。

 また、公的機関の調査(2019年)で県内はひきこもり状態にある人の人口に占める割合が0・056%で全国平均の0・91%を大きく下回ったが、小西さんは単純計算で601人しかいないことになると指摘。潜在化している可能性があるのではないかと疑問を投げ掛けた。

 一方、本来なら大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもを指すヤングケアラーについても講義。ヤングケアラーは学校や地域で気付かれる機会が多いが、ひきこもりは家の中から出ないため認知されにくいのが大きな課題だと語った。

 そのため、受講した民生委員・児童委員、保護司、PTA役員ら約50人に対しては、近所話など地域のネットワークでひきこもりやヤングケアラーの当事者・家庭に関する情報を入手してもらえるよう要請。その先は専門職員が応じるとして、上手な話の聞き方なども指導した。

 また、気になることがあれば市役所2階のなんでも総合相談センター(毎日午前9時〜午後4時、箟箍20・7105、電子メールnandemo@city.nobeoka.miyazaki.jp)への連絡も周知するよう希望。「以前は皆、虐待の通報でもためらっていたが、結果的に間違っていてもいいので連絡してもらいたい」と呼び掛けた。

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