本紙掲載日:2023-03-17
(6面)

流木で作った動物展示−18日から城山公園

地域の環境課題学ぶ高校生らが制作

 ケーブルメディアワイワイ(末次稔社長)と山根製作所(山根俊輔代表)は昨年8月から、高校生と流木を使って動物を作る「アップサイクルアートプロジェクト」に取り組んできた。あすから延岡市の城山公園で始まるワイワイ花宵物語の中で、「流木動物園」として展示する。

 アップサイクルとは、廃棄物や本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生し、役立てること。昨年3月、延岡駅西口街区ビル1階に新施設waiwaiPLAYLAB(ワイワイプレイラボ)をオープンさせたケーブルメディアワイワイが、同所の設計者でもある山根製作所と共同で企画した。

 地域の環境課題をクリエーティブに解決する取り組みを通し、高校生に地域への愛着や誇り、まちに自ら関わっていくという意識を持ってもらうことが目的。地域のにぎわい、カルチャー創出の拠点を目指す同ラボを主会場に、延岡星雲高美術部と放送部、聖心ウルスラ学園高放送部の高校生約20人が参加した。

 昨年8月の第1回目では、同製作所代表の山根さん(38)が概要を説明。延岡市にはウミガメの産卵地となる美しい海岸があるが、産卵回数が減少傾向にあることを紹介した。

 そして「海ごみを材料とした動物が完成に近づくほど、海がきれいになっていく。ウミガメを救えるかもしれない」と環境保全につながる可能性を示し、「僕たちにしかできない、地域にとって意味のあることをしよう」と呼び掛けた。

 「流木動物園」は、1988年まで城山公園にあった動物園を〃復活〃させようとの思いから。山根さんは図書館で調べた情報から、1868年の内藤家の小動物園から始まったことや、1951年に城山動物園が開園するとにぎわったこと、ライオンやヒョウなどの動物もいたが少しずつ減り、88年に閉園したことなどを説明した。

 9月上旬には、市の担当者を講師に招き、アカウミガメの現状についても学習。制作やオンライン会議など8カ月間、何度も顔を合わせてプロジェクトを進めてきた。

 動物は流木を骨格に見立てて制作。生徒は少人数のグループごとに動物を決め、10月上旬に長浜海岸で拾った流木を材料に色塗りから行い、今年1月に完成させた。

 地域の実情を知り、ないものを自ら作る経験から、「待っているだけでなく、自分たちで何かしようという意識付け、行動を起こすきっかけになれば」との願いも込められたプロジェクト。

 延岡星雲高校放送部の倉本小雪さん(2年)は、「自分たちが取り組むことでほかの高校生も見に来てくれるかもしれない。延岡に住んでいる者として魅力や良さを伝え、来て見たいという気持ちにつなげたい」と抱負。流木拾い後は、「これまで流木は、気にも留めていなかった。みんなで活動すると、どんどんきれいになるのかなと思った」と話していた。

◆18、19日にオープニングイベント

 流木動物園が設置される「ワイワイ花宵物語」は、延岡花物語2023のトリを飾るイベントで4月9日まで。午後6時30分〜9時30分にライトアップする。スマートフォンのアプリでスキャンすると、動物が動く仕掛けも用意されている。

 18、19日にはオープニングイベントがあり、18日午後6時15分から点灯式。光と音、シャボン玉で彩る「ナイトバブルショー」は18、19日の同7時からと同8時から2回ずつ公演を行う。

 また、25日には豪華芸能人によるお笑いライブ、ミュージックライブ、プリキュアショーなど盛りだくさんの「ワイワイグルメ博」が予定されている。

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