本紙掲載日:2023-03-21
(2面)

島の郷土料理を商品化−しまんだの鯛茶漬け

島野浦地区離島漁業再生協議会

◆道の駅などで販売開始

 延岡市の離島、島浦町の漁業者でつくる島野浦地区離島漁業再生協議会(木下拓磨会長、45世帯)が郷土料理を商品化した「しまんだの鯛(たい)茶漬け」を開発し、市内の道の駅などで販売を開始した。

 同商品は島野浦周辺の漁場で養殖されたマダイを島内で素早く加工して、甘辛いしょうゆベースのたれに漬け込み、真空包装後に急速冷凍。潮の流れが速い漁場で育ち、身の引き締まったマダイは歯応えが良くて臭みもなく、自然解凍するだけで高い鮮度のまま楽しむことができる。

 たれと一緒に白ご飯の上にのせる食べ方だけでなく、ケバブサンド風トーストやイタリア風茶漬け、エスニックカルパッチョ、ピリ辛担々つけ麺といったアレンジレシピも提案。ロゴやデザインにこだわった保冷剤付きのパッケージで、広く手に取ってもらえるよう工夫を凝らした。

 同協議会は離島漁業再生支援交付金を活用して島外イベントへの出店や道の駅などでの移動販売に取り組んできたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い活動が停滞。外出自粛ムードも広まる中、自宅で島の家庭料理を楽しんでもらおうと、長年温めてきた鯛茶漬けの商品化に挑戦したという。

 具体的なノウハウはなかったが、市を通じて相談した延岡信用金庫(黒木哲也理事長)が賛同。さらに、全国の信金が出資して地場企業の新商品開発に実績のあるしんきん地域創生ネットワーク(眦亭端卍后砲皺辰錣蝓■嫁余りかけて販売にこぎ着けた。

 昨年夏には宮崎ブーゲンビリア空港、10月からは新宿みやざき館KONNE(こんね)など都内でも試食販売を重ね、いずれも予想を超える売り上げを達成。アレンジレシピは、地域産品の監修実績を持つ石川進之介シェフが開発した。

 今月13日には延岡市役所で販売開始をPRする記者発表を開き、木下会長、黒木理事長、眦勅卍垢並んで会見。商品の魅力や開発の経緯を報告した。

 木下会長は「まずは県内の方に島の味を体験して魅力を知ってもらい、少しずつでも県外の方へ宮崎に離島があると認知してもらえたら」と期待。若手漁業者でつくる島浦町漁業後継者部(13人)の代表も担っており、「まだまだ島には魅力的な素材がある。今後も新商品を開発し、『しまのうらブランド』を確立したい」と力を込めた。

「しまんだの鯛茶漬け」は現在、県北では道の駅北川はゆまや道の駅北浦で販売しており、100グラム入り1080円(税込み)。宮崎空港でも1190円(同)で販売している。

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