本紙掲載日:2023-03-29
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予算案、29日専決処分

駐車場管理システム事業除いた

◆読谷山市長「やむを得ない措置」−延岡市

 延岡市役所周辺の駐車場管理システム整備事業を巡り、市議会が28日の臨時会で同事業を除いた修正案と同事業を含めた原案のいずれも否決した2023年度一般会計当初予算案について、読谷山洋司市長は29日午前、同事業費1億3528万円を除いた667億3271万円を専決処分した。22年度(肉付け後)と比較すると、22億4127万円(3・5%)増加となった。

 読谷山市長は28日の臨時議会後に定例記者会見し、専決処分の方針を表明。「年度末で時間的余裕がない。新年度のほかの事業の予算執行を円滑に進めなければならないため、やむを得ない措置」としていた。また、同事業については「必要不可欠。今後も提案する方向で準備を進めたい」と話した。
同市財政課によると、当初予算を専決処分するのは「恐らく初めてではないか」という。

 また、延岡市議会3月定例会で原案(668億6800万円)から6億424万円を差し引いた2023年度延岡市一般会計補正予算(第1号)が可決されていたため、当初予算と同様、補正予算についても専決処分とした。補正後の一般会計総額は661億2847万円。

◆28日、再議で予算案修正案と原案を否決−延岡市議会、異例の要望

 駐車場管理システム整備事業は市役所周辺の駐車場にAIカメラや表示板を設置し、満空情報を発信して利便性向上を図るもので、市は23年度一般会計当初予算案に事業費1億3528万円を計上し3月定例会で提案。議会は24日、「システムの設置効果自体を否定するものではないが、必要性の面から、現時点でのシステム投入は時期尚早」と修正案を賛成多数で可決した。

 これを受けて読谷山市長は審議のやり直しを求める「再議」を申し入れたが、議会は臨時会で修正案、原案とも否決したため、新年度予算は異例の白紙状態となった。

 新年度まで時間がないため、議会は臨時会後、同事業以外の予算について市長が専決処分を行い、早急に予算を成立させるよう異例の要望を行った。

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