本紙掲載日:2023-03-30
(8面)

カードゲームで脱炭素学ぶ

カードゲーム「2050カーボンニュートラル」の体験会

親子連れなど課題解決に挑戦

 温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする〃脱炭素〃を楽しみながら学ぶ新しいカードゲーム「2050カーボンニュートラル」の体験会が19日、延岡市役所で開かれ、親子連れも参加して課題解決に挑戦した。

 参加者は「住宅メーカー」や「電力会社」「農林業」「環境NPO」「金融機関」「政府」など12グループに分かれ、それぞれに定められた資金を持ってゲームを開始。カーボンニュートラルの実現を共通の理念としつつ役割ごとに目標も設定され、資金獲得を目指すグループは経済活動、脱炭素を目標とするグループは環境活動に力を入れた。

 どのグループも資金を投じて実行する「組織」の活動と、資金なしでできる「市民」の活動があり、互いに交渉したり資金を融通したりしながら制限時間内にできる限り行動。活動に伴う化石燃料の消費、森林資源の活用や回復で温室効果ガスが増減し、追加目標や新たな対策資金が提供されて、参加者は一喜一憂しながらゲームを楽しんだ。

 制限時間を迎えると年代が進み、その時点の温室効果ガス量によって「異常気象により各地で豪雨被害が増加」「熱帯の感染症が日本に上陸」などのシナリオを発表。利益ばかり追求していると企業や政府が逆に思わぬ損失を受けることを知り、参加者は経済活動と環境対策のバランスの難しさを実感していた。

 体験会は、九州におけるSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)啓発の草分け的存在で、県内を拠点に活躍している難波裕扶子さん(シンク・オブ・アザーズ社長)が講師と進行役を担当。カードゲームが脱炭素への学びや気付きにつながり、意識が広まるよう期待した。

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