本紙掲載日:2023-04-11
(3面)

持続可能な医療提供へ−来年3月利用開始

日向市立・東郷診療所が起工式

 日向市が新たに整備を進める市立東郷診療所の建設工事起工式は8日、同市東郷町であった。行政や関係団体、施工業者、地域住民の代表など約30人が出席し、くわ入れ式などで工事期間中の安全を祈願した。診療は現在の施設で続けながら、敷地内の駐車場に建設を進め、来年2月の完成、翌3月からの利用開始を目指す。

 現在の施設は1974年に建設。約50年間にわたり地域の中心的な医療機関の役割を担ってきたが、老朽化や耐震性の課題があることから市は建て替えが必要と判断。市民代表や有識者らで構成する市立東郷診療所整備検討委員会を発足させ、2021年3月に基本構想、同年6月には整備基本計画を策定したほか、住民説明会やパブリックコメントなどを実施するなどして計画を進めてきた。

 新診療所は鉄骨平屋建てで、延べ床面積は599平方メートル。総事業費は6億3400万円を見込む。診療科目は従来同様の内科、整形外科、リハビリテーション科を予定。入院病床はない。新たにCT(コンピューター断層撮影装置)や骨密度測定装置を導入するほか、リハビリ室、相談室などを設ける。

 訪問看護の24時間サービスも継続し、在宅医療の充実を図る。

 基本コンセプトは、「地域に根ざし、医療、保健、福祉、介護の架け橋となる診療所」。整備の基本方針は、誰もが安心して利用できるやさしい診療所▽地域に寄り添う診療所▽健康増進の拠点となる診療所−の三つを掲げる。

 式には、十屋幸平市長、山田強一同診療所長、黒木正一市社会福祉協議会長、千代反田晋市東臼杵郡医師会長らが出席した。

 十屋市長は「新診療所の整備により、将来にわたり持続可能な医療提供が可能になる。住み慣れた地域で安心して医療を受けてほしい」とあいさつ。地域住民でもある黒木会長は「医療設備や機能がこれまで以上に充実する。高度な機能を持つ医療体制の整備、(先月末に配備された)高規格救急車の導入は真の地域医療となり心強い」と祝辞を述べた。

 また、起工式の前には安全祈願祭も執り行われた。十屋市長や施工業者が鎌やくわ、鋤(すき)で地鎮の儀を行い、出席者が玉串をささげて工事の無事を祈った。

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