本紙掲載日:2023-04-25
(1面)

食に感謝、子どもに農業体験を

G7の農相らを前に環境負荷低減などの共同研究の推進、農業の魅力の発信、農業教育の充実を提言する県内の高校生

県内高校生20人が提言−G7の農相に英語で訴え

 G7宮崎農業大臣会合は22、23日の2日間、宮崎市で開かれた。初日の最初の本会合には県内の高校生20人が登壇。各国農相を前に環境負荷の低減などの共同研究の促進や農業の魅力発信、農業の体験や教育の充実など、持続可能な社会の実現を思い描きながら自ら議論した提案を英語で発表し、行動を呼び掛けた。

 提言の発表は、未来の食や農業への若者の関心を高め、グローバルな視点で活動する機会の創出を目的とした「高校生の提言プロジェクト」で、県が農林水産省に打診し本会合プログラムに決定。公募で選ばれた県立高校14校の生徒20人が、国内外の農業事業や食料問題を学ぶなどしながら提案を考えてきた。

 提言は、第1に自然環境への負荷、廃棄物、格差をゼロにすることを目指した、国と国、人と人が共に実施する共同研究「ZEROイノベーション」の推進▽第2に生産者と消費者が共に農業の魅力を知るため、若者に人気のある媒体や機会を利用して農業の魅力を発信する「クールアグリキャンペーン」の実施▽第3に食と文化が共につながり続け、食に感謝することが当たり前な社会になるよう、子どもたちに本物の農業を体験させる教育活動の充実、の三つのアイデアを提案。

 最後に「今こそ、私たちを含むここにいる人全てがアクションを起こす時です。『国と国、人と人が共に』『生産者と消費者が共に』『食と文化が共に』歩んでいく世界をつくっていきましよう。提言のキーワードは『共に』です」と世界に訴え掛けた。

 終了後、延岡高校3年の嘉藤圭悟さん(17)は「発表前はとても緊張したが、みんなで考えた意見を届けようという思いだった。うなずいていたり、納得したような大臣の表情を見て率直にうれしかった」、同校3年の田中佑実さん(17)は「私たちも行動するが、各国の農業大臣には私たちができないことを発展途上国をメインにやってほしい。将来は農業大臣と協力して世界を救う一人になりたい」と発表後の感想を話していた。

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