本紙掲載日:2023-04-25
(3面)

「ひなたWOMAN」(106)

高千穂さと神楽保存会・日皸さん

◆最高の文化盛り上げを

 800年もの歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財にも指定される高千穂の夜神楽。伝統的に男性だけが舞うものとされてきた世界で、初の女性グループ会長として奮闘する。

 「2019年12月、初めて荘厳な舞を間近で見たのがすべての始まりです。ユーチューブもスマホもない時代からずっと人の手で準備され、かつ目に見えない神様に対して畏敬の念とありがとうの気持ちを奉納するすごさ、素晴らしさ。ほれ込みました」

 翌春、「もっと近づきたい」と宮崎市から移住し、21年3月に中畑神社神楽保存会(藤康隆会長)の会員に。少子高齢化で後継者が減る中、性別に関係なく関わる人たちを増やす仕組みをつくりたいと、昨年7月にグループを立ち上げた。バックアップを含め14人で活動する。

 「初お披露目は、初日の出を待つ人々が集まった国見ケ丘。何をやったか覚えていないほど緊張しましたが、何とかやり遂げることができました」

 宮崎市生まれの鹿児島大卒。17年に訪日外国人向けの旅行会社「訪(おとな)う」を起業。4歳からピアノに親しみ、檍中、宮崎大宮高では吹奏楽部で青春を満喫した。

 「今は藤会長の下、皆で基礎をみっちり学んでいます。やればやるほど奥が深く、週1回の練習が楽しくてたまりません」

 熱心な取り組みは思わぬ相乗効果を生んでいる。各保存会の男性会員が「女性があれだけ頑張っているのだから負けてはいられない」と大いに刺激を受けているという。

 「私以外にも、マーケティングやアウトドアなどが専門のメンバーがいます。そうした強みを生かしながら、最高にかっこいい文化を盛り上げていきたいですね」
(随時掲載)

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