本紙掲載日:2023-04-28
(6面)

地域の保全活動学ぶ

希少植物の自生地で学習高千穂・上野中

 高千穂町立上野中学校(末原幹大校長、22人)の1年生4人(梅本大駈さん、佐藤樹規さん、戸皺段さん、坂本勇誠さん)は27日、希少植物のクマガイソウなどの自生地として知られる鳥屋岳(標高722メートル)で地域学習を行った。同地域の保全活動に取り組む高千穂森の会(興梠幸男会長、11人)の特別公開案内会に参加し、自然環境への理解を深めた。

 同校では地元の自然を知り、進路選択などに役立てようと、総合学習で町内に自生するクマガイソウやキレンゲショウマについて学ぶ。一昨年は興梠会長(82)を招き、講話を実施したが、「直接見た方が深い学びにつながる」と昨年から、案内会に参加している。

 この日は、高千穂森の会が取り組む「鳥屋岳悠久の森づくり構想」の5項目(水源、生産、生命、癒やし、遊学の森づくり)を教わり、一般参加者約30人と一緒に出発。興梠会長のガイドで山頂までゆったり歩いた。

 県版レッドデータブックで絶滅危惧毅体爐吠類されているクマガイソウ、桃色のラショウモンカズラ、10種以上のシャクナゲといった美しい草花を楽しみながら1時間ほど歩くと、間伐や枝切りが行き届いているスギ林とそうでないスギ林が交わる場所に到着した。

 興梠会長は双方の林を見比べるよう促し、手を加えなければ「幹が細くなる」「密度が薄く、低品質な製材になる」「日光が届かないため地面に草が生えず、雨で表土が流れやすくなる」などと説明。様相の違いを目の当たりにした生徒たちは相づちを打ち、メモを取るなどして保全活動の重要性を感じ取っていた。

 参加した佐藤さん(12)は「高千穂町はユネスコエコパークにも指定されている。豊かな自然を保てるよう、環境に優しい行動を心掛けたい」と感想。興梠会長は「地元にあふれる自然の偉大さ、美しさ、恩恵などを体感し、守る心を育んでほしい」と話した。

印刷には対応しておりません。
当サイトは、閲覧のみになります。

写真の販売:https://stg-yukan-daily.epitas.com/provider/
写真販売所ガイド:https://yukan-daily.co.jp/photo-guide/page/