「満月の雫」プロジェクト始動

北浦・島野浦−動画とスイーツで観光振興

　延岡市北浦町の道の駅北浦（花井光一駅長）で作られている特産品・月の塩と、離島・島野浦に伝わるメキシコ女王黄金伝説を基にしたショート動画「満月の雫（しずく）」が完成した。制作を主導した都農町の南国ＣＢＦ（河野当将社長）と高鍋町のカレーＣａｆｅ静＆アトリエＤＯＫＯＳＯＫＯ（長友克憲店長）は、月の塩を使った同名のコラボスイーツも開発。道の駅北浦と共に、地域資源の掛け合わせによる地方創生、北浦町や島野浦の観光振興を目指す。

　動画の制作は、長友さんが河野さんにコラボ商品づくりを持ち掛けたことをきっかけに、昨年１１月から町おこしプロジェクトとしてスタートした。

　２人はカレーＣａｆｅ静が販売する月の塩を使った塩コンフィチュールと、南国ＣＢＦが手掛ける南国プリンを掛け合わせた商品を開発する中で、町おこしに不可欠なものとして「唯一のストーリー」を模索。江戸時代にメキシコ女王の遺体が流れ着いたという島野浦のメキシコ女王黄金伝説に着目し、伝説に基づいて長友さんが執筆した小説をショートムービー化することが決まった。

　動画「満月の雫」は、今年３月から約１カ月半をかけて下阿蘇ビーチなどで撮影。島に住む塩職人の青年が、満月の夜にメキシコ女王と出会う物語となっており、女王役は延岡市のＡＬＴ（外国語指導助手）アナ・メイソンさん（２８）、青年役は俳優の橋本貴斗さん（２１）＝高鍋町＝が務めた。

　作中に登場する同名のコラボスイーツは塩レモンジュレがトッピングされたプリンで、酸味と甘味の絶妙な組み合わせと、青色の塩コンフィチュールを加えることで桃紫色に変化するジュレの見た目を楽しむことができる。

◆５月６日、動画公開−プリンは２９日から販売

　動画は５月６日から来年３月２５日にかけて毎月満月の週末に、計１２回（１回５分）に分けて動画投稿サイト「ＹｏｕＴｕｂｅ（ユーチューブ）」で公開される。予定日は５月６日、６月４日、７月４日、８月２日、９月１日、９月３０日、１０月２９日、１１月２８日、１２月２８日、２０２４年１月２６日、２月２５日、３月２５日。

　プリンは２９日から５月７日まで、道の駅北浦で販売される。価格は５００円（税込み）で、１日１００個限定。６月以降は毎月、満月の週末にあたる土日のみの限定販売を予定している。

　長友さんは半年間を振り返って「コロナ禍で人が集まらない３年間を払拭（ふっしょく）したかった。いい機会を得ることができて感謝している」とにっこり。長友さんの知人で動画監督を務めた児玉章輝さん（２６）＝川南町＝は「短い制作期間だったけどいい作品ができた。続編の機会が頂ければぜひ頑張りたい」と話した。

　道の駅北浦はプロジェクトの一環として、駅内にメキシコ女王黄金伝説にちなんだ白い十字架のモニュメントも設置。河野さん、花井さんは「モニュメントや下阿蘇海岸の景色と一緒に、『満月の雫』プリンを味わってもらえれば」としている。