本紙掲載日:2023-05-09
(7面)

愛鳥週間始まる

巣箱にブッポウソウ

◆希少種の子育て応援・「元気なひなを」と近所の人−延岡市北方町

 絶滅の恐れがある夏鳥「ブッポウソウ」が延岡市北方町に渡来し、保護団体が架けた巣箱で巣作りを始めた。営巣は2019年から5年連続となり、近所の人たちは「楽しみにしていた。早く元気なひなの姿を見たい」と希少な野鳥の子育てを応援している。あすから「愛鳥週間」。

 ブッポウソウは全長約30センチ。青緑色で赤いくちばしをした美しい姿は「森の宝石」と呼ばれる。初夏に東南アジアから3千キロ以上も離れた日本へ渡り、樹洞や橋脚などで繁殖する。

 営巣が確認されたのは「北方のブッポウソウを守る会」(舩倉実義代表)が同町川水流に設置した巣箱。つがいとみられる2羽が電線に止まってトンボなどの餌を受け渡したり、頻繁に出入りしたりする様子が見られている。順調にいけば7月にもひなの姿が見られそうだ。

 巣箱は19年から繁殖に利用され、昨年、一昨年は2カ所で営巣が確認された。巣材の重さから推定すると、これまでの4年間で計22羽が巣立ったとみられている。

 近所の人によると、ブッポウソウはミカンの害虫を食べる有り難い存在でもあるという。「安心して子育てしてほしい」と話し、希少な野鳥の姿を遠くからいとおしそうに見詰めていた。

◆森の歌い手競演−オオルリとキビタキ・見た目も美しい夏鳥

 夏鳥のオオルリとキビタキ(いずれもヒタキ科)が県北の山々に渡来し、新緑まぶしい樹林に美しい鳴き声を響かせている。

 オオルリは全長16・5センチでスズメより大きい。雄は青色の背と白い腹のコントラストが鮮やか。「幸せの青い鳥」として野鳥愛好家に人気がある。

 渡来して間もないこの時期は見晴らしのいいこずえに止まり、「ピールリー」と歌うように鳴いて縄張りを宣言する。ウグイス、コマドリと共に「日本三鳴鳥」の一つに数えられている。

 キビタキはスズメより小さい全長13・5センチ。雄は黒と黄色の色彩が美しく、新緑によく映える。「ピーリー、ピッコロロロ」と複雑な節回しでさえずる。管楽器のピッコロの音色に例えられたり、「森の歌姫」とも称される。

 どちらも東南アジアなどから日本に渡って繁殖する。数は少なく、県の準絶滅危惧種に指定されている。

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