本紙掲載日:2023-05-16
(6面)

「野鳥に関心持って」

バードカービングと写真を展示

◆6月5日まで−リバーパル五ケ瀬川

 野鳥のさえずりを聞きながら、バードカービングや野鳥の写真を鑑賞する展示会「野鳥を創る」が、6月5日まで延岡市牧町のリバーパル五ケ瀬川で開かれている。観覧無料。NPO法人五ケ瀬川流域ネットワーク(山田大志理事長)主催。

 愛鳥週間(5月10〜16日)に合わせて行われており、今年で19年目。今回は、木材を彫って野鳥を再現する彫刻「バードカービング」84点と、県北で撮影された野鳥の写真32点を展示している。会場では鳥の鳴き声をスピーカーで流し、窓の外からは鳥のさえずりも聞こえ、作品とともに来場者を癒やしている。

 バードカービングは、カルチャー&フィットネスさざんぴあ(同市構口町)のバードカービング講座で講師を務める佐藤浩榮さん(90)と受講生ら11人が制作。野鳥写真は、永田敏治さん(73)ら日本野鳥の会宮崎支部の会員6人が撮影した。

 バードカービングは、スズメ、キセキレイなど初心者が最初に制作する小さな作品から、翼を広げた様子を再現したツミ(小型のタカ)の大作まで、個性豊かな野鳥の姿を生き生きと表現。

 佐藤さんは12点を出展しており、中でもアメリカチョウゲンボウの狩りの様子を表現した作品では、腹を見せて捕らえられるスズメのバードカービングに初挑戦している。バードカービングは「彫れば彫るほど、奥が深くて、楽しくなってくるのが魅力」という。「今回も力作がそろっているので、ぜひ、たくさんの人に見てほしい」と呼び掛けた。

 写真は、枝木で一斉に羽を休めるアマサギの群れや、ひな鳥から注意をそらすために傷を負ったふりをする親シロチドリの「擬傷」の様子など、野鳥が見せる一瞬の表情を捉えた作品が多数。写真はいずれも、県北で撮影されたものという。

 永田さんは昨年、延岡市の城山で行った調査で、野鳥は83種しか観測されなかったと話し「延岡市内でも、野鳥の数はかなり減っていて、自然と見る機会も少なくなっている」と強調。「自然体系の一翼を担う野鳥が、人間にすみかを追われている実情は、とても寂しいこと。展示会をきっかけに、自然や野鳥についていま一度、興味、関心を持ってもらいたい」と話していた。

 開場は午前9時30分から午後4時30分まで。火曜日が休館。問い合わせはリバーパル五ケ瀬川(箟箍42・3005)まで。

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