本紙掲載日:2023-05-17
(6面)

工夫、ユーモア交え楽しませる

創立10周年記念の演奏会−ひむかグリークラブ

 延岡市の男声合唱団ひむかグリークラブ(中尾師代表、12人)の創立10周年記念第3回演奏会が14日、同市の野口遵記念館であった。2021年に10周年を迎えたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて延期していた。アンコールも含め23曲を披露し、ほぼ満席となった来場者を楽しませた。

 同合唱団はロブスター混声合唱団の男性数人で「男声合唱もやりたいね」と結成。平均年齢70歳ながら、さまざまな演奏会で高い評価を得ている。

 中尾代表があいさつで「20周年を目標に、青年の気持ちできょうは歌います」と会場の雰囲気を和ませて開演。団員は「時代」(中島みゆき作詞作曲)などポピュラー曲から、男声合唱の定番曲まで幅広い楽曲を力強く、時に繊細な歌声で披露した。

 中でも注目を集めたのは、ドボルザークの交響曲「新世界より」第2楽章を原曲とする「家路」。7分にわたり無伴奏で歌われる大作で、途中5回も転調がある難曲。すさまじい集中力で歌い上げ、会場からは万雷の拍手が送られた。

 小休憩を挟んで行われたのは、重唱のステージ。団員は4、5人ずつグループA、B、Cに分かれ、披露する曲の時代に合わせた衣装を着て登場。物語仕立てで童謡を歌うなど、組ごとに工夫を凝らしたステージを展開した。75〜80歳の団員4人で構成した最高齢チームは、小話を交えたステージを行い「後期高齢者歌うぞ」「オー」と会場の笑いを誘った。来場者を巻き込んで合唱をする場面もあり、最後まで盛り上がった。

 指揮の川瀬治さん(80)は「『家路』は学生時代に一度断念した曲で、約60年越しのリベンジになった。本来は楽器で演奏する曲なので、とても難しかったが、何とかうまくいって良かった」と達成感に満ちた表情。

 中尾代表は「コロナで延期したので、5年間同じ曲を練習した。忘れては覚え直しての連続だった。続けることが健康の秘訣(ひけつ)にもなっているので、20周年に向け頑張りたい」と決意を語った。

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