本紙掲載日:2023-05-25
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3年ぶり大台、113万人

国が「行動制限を求めない」とした2022年のお盆。高千穂峡は多くの観光客でにぎわった(撮影、同年8月15日)

消費額54億円、前年比31・9%増−高千穂観光22年統計

◆コロナ禍−20年75万人からは回復

 高千穂町は19日、町内における2022年の観光事情をまとめた統計結果を発表した。1〜12月の総入り込み数は113万9100人で、前年比36・6%増。新型コロナウイルス感染症の影響で70〜80万人台まで落ち込んだ20年以降、初めて100万人を突破した。

 統計は1961年、同町の観光振興などに役立てようとスタート。町企画観光課が高千穂峡内の駐車場入り込み、宿泊客数や土産品などの消費額、公共交通機関の利用者データなどを基に推計し、毎年公表している。

 例年140万人近くが訪れる高千穂町だが、20年1月に新型コロナウイルス感染症の国内感染が判明。感染症対策に伴う外出制限などが逆風となり、同年の総入り込み数は75万8800人(前年比44・5%減)まで減少、翌21年も83万3900人にとどまった。

 しかし、コロナ禍を経て、厚生労働省などが提唱する「新しい生活様式」が浸透したこともあり、2022年は入り込み数以外の数値も大幅に増加した。観光客の宿泊数は17万1500人(宿泊率15・1%)で前年比32・9%増、消費額は54億1483万円で同31・9%増となった。

 消費額の内訳は、宿泊費32億562万円(前年比27・4%増)▽土産品費6億8424万円(同39・4%増)▽飲食費7億8503万円(同36・4%増)▽交通費3億7064万円(同43・2%増)▽その他3億6929万円(同40・6%増)。

 また、交通機関別の利用者内訳は、貸し切りバス6万6000人(同194・6%増)▽乗用車105万6700人(同32・3%増)▽路線バス1万6400人(同28・1%増)だった。

 方面別では、県内から17万8000人が訪れたのに対し、本県を除く九州各地からは70万4300人が訪れ、総入り込み数の61・83%を占めた。特に、11、12月は貸し切りバスを利用する観光客も増え、全体の3・36%に当たる3万8300人が外国人観光客だった。

 町企画観光課によると、9月に台風14号が襲い、高千穂峡をはじめ町内各所に甚大な被害が出たが、入り込み数への影響は少なかったという。

 コロナ禍前の水準までは及ばなかったとしつつ、回復の兆しが見受けられた要因として、ジモ・ミヤ・タビや10月に始まった観光庁の全国旅行支援キャンペーンなどの影響と分析。「次年度以降の観光振興に期待が持てる結果」とまとめた。

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