本紙掲載日:2023-05-26
(3面)

日向市に支援拠点を−国際交流サポートセンター

藤原さん、必要性から立ち上げ

 技能実習生ら県内にも海外出身者が増加する中、日向市の女性が温かな居場所づくりを目指したボランティア団体「国際交流サポートセンターHELOOMEJAPAN」を立ち上げた。日本語支援を行ってきた技能実習生の孤立、失踪などから支援拠点の必要性を感じたという。「絶対に一人にさせない」と意気込んでいる。

 団体を立ち上げたのは日向市財光寺の藤原祐子さん(45)。看護師として働く傍ら、3年ほど前から、県国際交流協会の日本語ボランティアとして日向市や児湯地区の技能実習生の日本語サポートを行ってきた。

 これまで、地域に出向いて公民館などで日本語を教えたり、一緒に電車やバスに乗って出掛け乗り方を伝えたり、着物の着付け教室などを開いたりしてきた。

 次第に距離は縮まり、普段から携帯のメールは実習生からの連絡であふれるように。電話で健康状態を確認したり、手料理を届けたり、台風時には不安がる実習生を電話で励ましたりした。

 そのような中、サポートしてきた技能実習生の失踪を経験。ごみの出し方や災害時の避難所などについて伝える支援の中で課題も見え、藤原さんが出向くのではなく、集い、つながることができる拠点づくりの必要性を感じたという。外国人として扱うのではなく、地域の中でみんなで支えていくことを目指す。

 18日には同市中町の男女共同参画社会づくり推進ルーム「さんぴあ」に賛同した人らが集まり、顔合わせ会を行った。藤原さんは、支援を通し居場所の必要性を感じたこと▽日本語や文化を教えるだけでなく、相手の国のことを知ることも重要だと感じたことなどを紹介。「絶対に一人にさせない」「母国に帰ったとき、日本の日向市はとても良かったと思ってもらいたい」と、熱い思いを伝えた。

 2021年からベトナム人技能実習生3人を受け入れたことをきっかけに、自身も支援に関わるようになった黒木教明さん(73)=黒木建設会長=は、「コンセプトがぴったり。藤原さんと同じで、せっかく日向に来て働いてもらっているのだから、日向に来て良かったと思って帰ってほしい」と共感した。

 顔合わせ会には市や社会福祉協議会の関係者も参加。必要な情報がなかなか英語圏以外の言語を使う海外出身者に届きにくい課題などを挙げ、「こういった場で得られた情報などを、私たちにつなげていただくことで関わりやすくなる。連携させていただけたら」と期待していた。

◆毎月第4金曜に活動

 団体は今月から、毎月第4金曜の午後7時から、さんぴあで支援を行っていく。初回は8人のベトナム人が参加予定で、歌などレクリエーションを交えながら、参加者の必要としていることを大切にし、分かりやすい日本語支援、困りごと相談などを行っていく。

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