本紙掲載日:2023-05-30
(2面)

防災対策・災害時に生かす

学校運営協委員と課題共有−延岡中

 延岡市立延岡中学校(粟田茂樹校長、282人)の1年生86人は26日、総合的な学習の時間を活用し、地域の人たちと校区内の防災の課題点や日頃から気を付けるべき点について共有した。

 同校では今年度、学校を挙げて防災学習に取り組むことにしており、防災マップの作成や避難所を巡るバスツアー、地域住民との合同避難訓練の実施など、地域の人たちと一緒に学ぶことも目指す。

 この日は体育館を会場に、校区内の区長や企業、事業所などの代表者らで構成された学校運営協議会の委員6人が訪問。自己紹介の後、住んでいる場所や勤務場所の紹介、防災面での不安、日頃の対策などを1人ずつ語った。

 委員は、地震はいつ起こるか分からない。今いる場所の状況を把握し、どこに逃げるか常に考えておく必要がある▽家族が違う場所にいるとき、どこに集まるか、どうやって連絡を取るのか話し合っておく必要がある▽地域で命を守り抜く行動をするため、定期的な訓練をしている▽まずは自分の命を守らないと仲間や家族を助けることはできないなど、日頃から家族に伝えていることや、心掛けていることなどを紹介した。

 子どもを預かる施設の代表者は、川沿いのため園舎建て替えのタイミングで3階建てにしたことを説明。区長からは民生委員らと協力し、高齢者の一人暮らしなど要支援者を把握しておく必要性があることなどが示された。また、地域の人の顔や名前を知っておくこと、日頃からコミュニケーションを取っていることが災害時には大事だという意見も出された。

 盒業佑紀さん(12)は「家族ともう一度、避難場所について確認したいと思った。川から津波が来ることなども考え、リポートを書きたい」と話した。

◆11月、校区内で避難訓練計画

 防災学習を前に、今年度第1回の学校運営協議会が開かれた。

 粟田校長は、昨年度の協議会の中で行った生徒らとの意見交換会で出されたさまざまな課題を一つ一つ解決していくため、今年度は全校で防災について学習することを紹介。「子どもたちの意識を向上させ、地域の人との触れ合いを通し、日常的に、何か起こったときにも助け合える関係性をつくりたい」と述べた。

 11月に出北1区、惣領町、浜砂の3地区合同避難訓練を計画していることも報告。訓練を前に、7月には避難場所となる学校を見学してもらう時間も設ける予定で、「それぞれの立場で意見を頂きたい」と協力を呼び掛けた。

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