本紙掲載日:2023-06-01
(9面)

縁深い茶の魅力に触れる

児童ら新芽摘み取り体験−五ケ瀬・三ケ所小

 五ケ瀬町立三ケ所小学校(古賀正洋校長、54人)の茶摘み体験が5月25日、校内の茶畑であった。豊かな自然と触れ合いながら労働の苦楽を知り、郷土愛を育むことなどが目的。全校児童が参加し、町の特産品である茶葉の新芽摘みに汗を流した。

 同校は校歌の歌詞に茶畑が登場し、校章に3枚の茶葉が描かれるなど、茶と縁が深い。茶摘み体験は長年続く伝統行事であり、茶葉の魅力を五感で堪能してもらうため、当日の給食で新芽の天ぷらを味わうまでが一連の流れとして組み込まれている。

 この日は、町内で釜炒(い)り茶などを製造している坂本園=三ケ所=の坂本建吾代表(56)が訪問。枝の先端に付いている柔らかい新芽3、4枚を目安に摘むことなどを教わった児童は、事前に決めていた縦割り班に分かれて作業に移った。

 広さ約3アールの茶畑は、元々あった茶畑を2004年度の卒業生が新しく整備したもので、県が品種改良した「ミヤマカオリ」を栽培している。

 芳醇(ほうじゅん)な香りが漂う中、経験を重ねている上級生は慣れた手つきで摘んだ茶葉を袋へ。下級生は背丈近くある茶の木に覆いかぶさるように手を伸ばし、慎重に、吟味しながら摘み採り、合わせて約11キロの茶葉を収穫した。

 同校によると、この日収穫した茶葉は坂本園で釜炒り茶に製茶後、全校児童へ配布予定。給食には玉露で炊いた米飯や、茶葉を練り込んだパンといった特別メニューが追加されるという。

 これに先駆けて配膳された新芽の天ぷらに児童たちはにっこり。「いただきます」の掛け声とともに口へ運び、収穫の苦労と喜びをかみしめるよう頬張っていた。

 1年生の桑原彩依さん(6)は「初めてお茶を摘んで、難しかったけど楽しかった。来年も楽しみ」。6年生の宮本佳樹さん(11)は「小学校では最後のお茶摘みなので張り切って摘んだ。今までよりたくさん摘めて良かった」とほほ笑んだ。

 「お茶はおいしいだけでなく、体に良い」と坂本代表。体験後には、「大人になっても友達とお茶を摘んだ経験を忘れず、五ケ瀬町を思い出してほしい」と話していた。

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