本紙掲載日:2023-06-02
(8面)

ロービジョン商品、見て触れて

盲導犬との触れ合いも−イオン延岡で体験イベント

 目が不自由な人の日常生活を補助する「ロービジョン商品」取扱店のパリミキ・イオン延岡店(園令一店長)と九州盲導犬協会による体験イベントが5月28日、延岡市旭町のイオン延岡店であり、幅広い世代がバリアフリーへの理解を深めた。

 会場では、眼鏡に装着して使用すると文字や登録した人の顔を自動認識し、内蔵スピーカーを通じて文章や名前を読み上げるAI(人工知能)小型カメラなどの最新機器を展示。

 簡単操作で撮影した文章が端末の画面に拡大表示される自動読み上げ機能付きの携帯型拡大読書器や、画面に写した手元の映像をスムーズに拡大しながら読書や記入作業ができる機器なども並び、来場者は触れながら使用感を体験した。

 光に過敏な人へ向けては、まぶしさだけを抑えて全体はそのままの明るさで見える遮光眼鏡・レンズの着用体験コーナーも用意。また、県立視覚障害者センター(宮崎市)も貨幣や紙幣を種類ごとに収納できる財布や、文字盤に直接触れたり音声で時間が分かる腕時計、点字トランプを出品した。

 盲導犬協会は福岡県糸島市の総合訓練センターから訓練士と訓練犬、PR犬が参加。障害物を配置して、盲導犬がどのようにユーザー(視覚障害者)の安全な歩行を支援しているのかを実演した。

 また、訓練士は、ハーネス(装具)を着けている盲導犬は仕事に集中しているため、「声を掛けたり、触ったりすると気が散って安全に誘導できないので、温かく見守ってください」と希望。ユーザーが困っているような場面では、盲導犬ではなく本人に「何かお手伝いしましょうか」と声を掛けるよう理解を求めた。

 イベントには同協会の啓発ボランティアとしても活躍しているユーザーの後藤文一さん(74)=延岡市差木野町=もパートナー盲導犬の「玉露」君と参加。「盲導犬のことをよく知らない方も多いと思うのでこの機会に知っていただき、まちで盲導犬を見掛けた時には配慮していただければ」と多くの来場を喜んだ。

 実演の合間にはPR犬や訓練犬と自由に触れ合える時間もあり、親子らが次々と体をなでながらおとなしい性格と人懐こさを実感。盲導犬協会とともに体験会を開けたことについて、パリミキの園店長は「一人でも多くの人に盲導犬やロービジョン商品を見て、触れて、体験してもらい、障害者の方が安心して過ごせる延岡になれば」と期待を込めた。

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