本紙掲載日:2023-06-03
(3面)

薬効や利用法、見分け方は

渡邊さん(右端)の説明を熱心に聞く参加者
薬膳の調理法を説明しながら実演した

薬剤師らの市民グループ・やくそう会が観察会−日向

 日向市・東臼杵郡薬剤師会の薬剤師らでつくる市民グループ「やくそう会」(甲斐晃弘代表)はこのほど、同市東郷町坪谷の牧水公園でみんなの薬草観察会を開いた。市民、会員など約40人が参加し、熊本大学薬学部の職員から同公園周辺の道路脇に自生する薬用植物の薬効や利用法、見分け方などを学んだ。観察会は、昨年10月に続き2回目。

 やくそう会は、市が2015年に始めた地方創生事業「市薬草の里づくり事業」を引き継ぎ、20年4月に発足。生産者や行政、薬剤師会などが連携して、薬草文化の創出、継承のほか、市民の健康増進、地元産ハーブの産業化支援を目的に活動している。

 この日は、熊本大学薬学部が運営する薬用植物園技術職員の渡邊将人さん、同大特任助教のデブコタ・ハリさんが講師を務め、ヨモギやヘクソカズラ、ドクダミ、スイカズラなど約20種類の薬草について説明した。2人は代表的な薬効や利用法のほか、国内外のさまざまな地域に伝わる薬草の使い方も紹介しながら、「自身の症状に適合するものを日常生活に取り入れてほしい」と呼び掛けた。

 薬草採取の注意点も話し、「自分を過信せず、自信が無い場合は必ず詳しい人に聞いてください。スマホを使った見分け方も万能ではない」とアドバイスした。参加者は、2人の説明を熱心に聞きながらペンを走らせ、薬草を手に取って観察したり、においを嗅いだりして薬草の正しい知識を学んだ。

 観察会後には、薬膳の調理実食会もあった。管理栄養士らがヨモギやイタドリの天ぷら、くさぎなご飯、すぎな団子などの調理法を実演し、参加者に振る舞った。

 甲斐代表は「地元にある植物資源の価値を再確認してほしい。薬草で心と体を健康にしてもらえれば。次回は今秋を予定しています」と話した。

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