本紙掲載日:2023-06-05
(7面)

五感で故郷の美しさ感じる

徳別当の棚田で田植え体験−高千穂町押方山附集落

 日本の棚田百選に数えられる高千穂町押方山附集落の「徳別当の棚田」で3日、田植え体験が開かれた。梅雨の晴れ間に、集落出身の家族連れら約40人が参加。美しい原風景をバックにヒノヒカリの苗を手植えした。

 体験は、県の「未来につなぐ中山間地域農業支援事業」を活用し、2020年に設立した徳別当棚田受託組合(佐藤公也組合長)が取り組む地域貢献事業の一環。棚田の魅力を感じてもらうことで地元に残る人やUターン者を増やし、高齢化が進む農業の担い手不足などを解消しようと、昨年度から行っている。

 組合員に植え方や注意点の説明を受けた参加者たちは早速、受託組合が管理する約2アールの田んぼへ。膝近くまで足をうずめて土の感触をひとしきり確かめた後、苗を手に横一列へと並んだ。

 古来、一般的な苗植間隔とされる24センチ幅に取り付けられた田植え綱の目印に沿い、一歩ずつ後ろへ下がりながら丁寧に作付け。大人も子どもも泥だらけになり、和気あいあいと汗を流した。

 山附集落在住で、母の亜美さん(36)らと参加した飯干虎徹さん(7)は「去年も参加したけど、うまく植えられるようになっていてうれしかった。景色がきれいで大好きなので、また参加したい」とほほ笑んでいた。

 佐藤組合長(66)によると150キロほどの収穫を見込み、10月上旬には稲刈り体験を開く予定。収穫した米は参加者に配布するといい、「山附集落の美しさを五感で感じ、故郷の魅力や農業の楽しさに思いをはせてもらいたい」と話した。

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