本紙掲載日:2023-06-15
(1面)

森林資源を活用−脱炭素社会づくり

設立総会を開いた「森林由来J―クレジット推進協議会」の委員ら

J―クレジット推進協が設立総会

◆延岡市、旭化成など5団体参加

 森林の二酸化炭素吸収量から得られるクレジットの創出や販売、活用を図る「森林由来J―クレジット推進協議会」の設立総会が14日、延岡市幸町の旭化成延岡駅前オフィス南ホール(延岡駅西口街区ビル内)で開かれた。協議会をつくる市や旭化成など5団体が連携し、森林資源を活用した脱炭素社会づくりを推進する。

 温室効果ガスの削減・吸収量を国が認証して売買対象とする「J―クレジット制度」においては近年、森林クレジット量の算定対象に主伐後の再造林が加えられるなど、クレジット供給量の拡大に向けた取り組みが強化されている。そうした中、同協議会は森林の新たな収益源としての可能性の検証、森林クレジットの創出・販売・活用に向けての仕組みづくりを進め、森林事業の活性化およびカーボンニュートラルの実現を目指す。

 協議会を組織するのは延岡市、旭化成、延岡商工会議所、延岡地区森林組合、延岡地区素材生産事業協同組合。またオブザーバーとして県東臼杵農林振興局と県森林組合連合会が参加する。

 総会では、会長に読谷山洋司市長、副会長に野田和弥旭化成上席執行役員研究・開発本部技術政策室長を選出し、2025年度にかけての3カ年計画を承認した。読谷山市長は「『産』と『官』がしっかりと連携を取ることで、世界に誇れる持続可能な森林づくりに向けて正式なスタートを切ることができた」として今後の事業展開に期待を寄せた。野田室長は「森林業界の資源循環をリードする役割を担っていきたい。森林ビジネスの新たなきっかけになれば」と話した。

 同事業計画では、市有の間伐促進型人工林(31・47ヘクタール)と天然林(50・86ヘクタール)でJ―クレジット制度プロジェクトに申請・登録し、認証に向けた手続きを行う。申請・登録から認証にかけての採算性を評価し、課題を抽出するほか、森林循環の価値可視化シミュレータの実証実験なども予定している。また、クレジット創出者と購入者のマッチングなど販売促進の仕組みを検討した上で、最適なクレジット販売価格の試案作成や市内企業等への販売展開を行っていく。

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