本紙掲載日:2023-06-19
(2面)

ICT教育のメリットは

県教委が設置した「ICT教育エリアミーティング」のキックオフとして、オンラインで開かれた講演会(7日、延岡小学校)

指導力向上へ−教職員ら向け講演会

 ICT(情報通信技術)を活用した指導力向上などを図ろうと、県教委は7日、県立学校や市町村立学校の教職員らを対象にオンラインによる講演会を開いた。講師は、島根県立隠岐島前高校の魅力化を推進し、地域の担い手づくりなどに取り組んできた岩本悠さん(地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事)。「子どもたちと地域・社会の幸せ(ウェルビーイング)の実現に向けて」と題し、ICT教育のメリットなどを語った。

◆今年度、エリアミーティング設置

 文部科学省の「GIGAスクール構想」に伴い、全国で児童生徒1人1台の端末を活用した教育活動が行われる中、ICT活用についての情報交換や連携を図ろうと、県教委は今年度からすべての学校の代表が参加する「ICT教育エリアミーティング」を設置した。

 講演会は、そのキックオフとしてオンラインですべての県立学校、市町村立学校を結んで行われ、このうち、延岡市立延岡小学校(眇晃一校長、400人)では教職員25人が聴講した。

 講演で岩本さんは、小中高生の人口は2000年から40年までに3〜4割減少する推移を説明。それに伴って進行するとされる学校の統廃合や小規模化などの課題と今後の方向性を「社会的機能」「学習機能」「教育福祉的機能」の三つの観点から挙げた。

 このうち学習機能については、小規模校の場合は児童生徒の学力差が大きいが、教職員数が少なく習熟度別や専門科目などの対応が困難という課題があると指摘。一方、ICT・遠隔授業などの活用により、個別に最適な学びと協働的で探究的な学びの推進が可能になることを説明した。

 続けて、岩本さん自身が携わった島の小規模校の教育づくりとして、島外の多様な社会人や他校の子どもたちと直接またはオンラインで交流することで、島の子どもたちが共通性や違いを見いだす機会が生まれた事例などを紹介。島以外にも多くの学校で同様の取り組みを行うと、自己肯定感や意欲を持つ子どもたちに育つ傾向が見られたという。

 また、子どもたちの意欲を高めるために必要な要素として、人や課題にじかに触れる▽異なる立場や価値観を持った人との関わり▽挑戦する時に支えてくれる存在の三つを挙げ、「教職員だけでなく、学校と地域が一緒になって目指す学校、教育を実現することが重要」と呼び掛けた。

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