さらに深い学びへ−浦城小

育てた作物の販売計画

　延岡市立浦城小学校（多良久校長）の全校児童３人は、学校近くの「浦城っ子農園」で、トウモロコシやニンジン、カボチャなど１４種類の作物を栽培している。昨年までは、収穫した作物を家庭に持ち帰ったり、地域の人に贈ったりしていたが、今年はさらに踏み込んだ学習を行いたいと、「販売」に踏み切ろうとしている。

　農園は総合的な学習の一環で造った。１４日に収穫したのは、ホウレンソウとチンゲンサイ。はさみなどを手にした３人は、どれが収穫に適しているのかを自分たちで判断して、選んでいく。

　多良校長は「収穫した物を見て、食べられないと思う余分な葉を取り除いてください」と子どもたちに伝えた。どの葉を落とすべきか、野菜の中に潜んでいる虫をどうするか、すべて児童自身で考えて、作業を進めた。

　１、５年担任の湯淺泰晃教諭は「育てた物を食べて終わりではなく、育てている物を商品と捉えることで、包装方法といった『育てる以外』のことを考える必要が出てくる。子どもたちにとってはさらに深い学びの機会になるし、命の大切さも感じてほしい」と目的を語った。

　販売会の開催を想定して、地域の人にＰＲするためのチラシ作成を国語の時間や総合学習の時間に行うなど、複数の教科を組み合わせながら、計画の実現に向けて動きだしている。湯淺教諭は「仮に実現しなかったとしても、うまくいかなかった経験は貴重ですし、それも勉強ですから」と話した。