本紙掲載日:2023-07-04
(2面)

性別性別関係なく楽しめる環境を

延岡市保育協議会-福大教授招き講演会

 延岡市保育協議会(甲斐英哉会長)はこのほど、同市のカルチャープラザのべおかハーモニーホールで、福岡大学人文学部教育・臨床心理学科の藤田由美子教授を講師に招いて講演会を開いた。午前と午後の2回に分けて行われ、保育士や児童厚生員ら約120人が参加し、人権とジェンダーについての話に耳を傾けた。

 講演会は、同協議会の幼児教育部会(國友基子部長)と児童館・児童クラブ部会(甲斐享博部長)の合同研修会として行った。

 ジェンダーとは、社会通念や慣習によって形成される性差のこと。

 藤田教授によると、今までの経験の積み重ねがジェンダーの方向性を決め、例えば「男なのに」「女なのに」と男女によって異なる言葉掛けがその人の行動を限定しているという。

 また、「カープ女子」「スイーツ男子」という言葉が生み出されたように大人でも無意識に偏見を持ってしまう場面があり、「日頃の子どもへの言葉掛け、行動を振り返るだけで意識できるようになる」とした。

 続けて、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利が含まれた「子どもの権利条約」について説明。これを保障するために必要な意識として、子どもは独立した人格を持つ存在▽子どもの意見を尊重する▽子どもが自分らしく生きる権利を保障するを挙げ、「子どもは親の所有物だという考えを変える必要がある。社会全体が変わっていかなければいけない」と強調した。

 その上で、藤田教授は保育現場で働く参加者に、子どもたちが性別関係なく楽しめる環境づくりや、性の配慮などを呼び掛けた。

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