本紙掲載日:2023-07-11
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今年こそは詩碑祭を

今年度事業などを決めた渡辺修三顕彰会の総会

渡辺修三顕彰会が総会

 昭和初期に活躍した延岡市出身の詩人・渡辺修三(1903〜78年)を顕彰する「渡辺修三顕彰会」(渡部俊雄会長)は7日、同市稲葉崎町の東海幼稚園で今年度の総会を開き、会員らの名前を刻んだ看板の制作など、今年度の事業計画や予算などを決めた。

 渡部会長(82)はあいさつで、顕彰活動に尽力している会員らの名前を後世に残すため、看板設置の考えを報告。「10月に完成させ、発表の場も兼ね、今年こそは(規模を縮小していた)詩碑祭を実施したい」と話した。

 同会は2021年度から、修三が同市大野町の山中で営んでいた茶園「黒岩園」の整備に取り組み、修三の代表作名にちなんだ「天使たちのお茶」の収穫を通した交流の場づくりや販売を目指している。

 昨年度は鹿の食害で芽がそろわず、今年の収穫を断念したという。鹿よけ対策にワイヤメッシュを張ったが、収穫量が少ないことや労力の負担などを考え、乾燥茶葉だけを目指すのではなく、生の茶葉を使った料理教室や茶の入れ方教室を通し、交流することが事務局から提案され、承認された。

 詩碑祭については、黒岩地区の秋祭りを考慮するが、11月12日ごろを予定。会員のモチベーションアップを図り、会員拡大につなげることなどを目的に、顕彰会の10周年の記念事業として渡部会長が提案した看板制作も取り組むことを決めた。

 渡辺修三は同市尾崎町出身。1921年に旧制延岡中を卒業後、早稲田大在学中、詩人の西条八十に師事し、28年には初の詩集「ヱスタの町」を刊行。帰郷後も茶園を営みながら詩作を続け、その環境から「谷間の詩人」と呼ばれた。市内の小中学校、高校12校の校歌も作詞している。

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