本紙掲載日:2023-07-13
3面

2336人分でミス−マイナンバーに別人の情報

昨年10月から今月まで−閲覧できる状態に

◆療育手帳情報とのひも付け

 県は12日、知的障害者に交付する療育手帳情報とマイナンバー(個人番号)のひも付けに誤りがあったと発表した。ミスが確認されたのは2336人分で、マイナンバーカード個人向けサイト「マイナポータル」で昨年10月から今月8日まで、他人の情報が閲覧できる状態になっていた。

 県の説明では、同サイトで閲覧できる情報は療育手帳番号と交付年月日、障害程度などであり、個人が特定される個人番号や名前、住所、生年月日などの情報流出は確認されていないという。

 県障がい福祉課によると、県内で療育手帳の交付を受けているのは3月31日時点で1万2530人。ひも付け作業済みの8279人分のうち、今月11日時点で2336人分を誤ってひも付けた。内訳は本人の手帳情報と別人の手帳情報の重複ひも付けが2328人分、別人の手帳情報とのひも付けが8人。6月20日付の国の通知に基づく確認で分かった。

 同課は昨年10月に療育手帳情報と個人番号のひも付け登録を行うシステムを通してデータ登録を実施。作業は職員が1人で行っていたという。

 職員は同月28日に療育手帳データをひも付け用のデータ登録様式に移す際に誤って転記。誤りに気付き、同月31日に修正した情報を再度登録したが、誤って転記した情報を削除していなかったため情報が重複してひも付けられるなどした。データが上書きされたと誤認していたという。

 誤りの判明を受け、県は8日、個人番号とひも付けたすべての療育手帳情報について情報連携を停止。今後は国の通知に基づいて事務処理状況の確認やひも付け点検・訂正を行った後、情報連携を再開する見通し。

 同課の佐藤雅宏課長は「療育手帳を所持している方にご迷惑をお掛けするとともに、県民の皆さまからの信頼を大きく損ねたことを心よりおわびしたい」と陳謝した上で「療育手帳業務のシステム化など必要な事務処理方法の見直しを検討したい」と述べた。

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