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台風14号の検証委員会、災害対応への報告書を公表
◆明確になった課題に改善策−アクションプラン作成へ 延岡市は昨年9月に大きな被害をもたらした台風14号の災害対応に関する検証委員会(委員長・川順子九州保健福祉大学教授)の報告書を公表した。深夜から未明にかけて広がった家屋浸水、市役所に殺到した電話への対応、災害ボランティアの受援態勢など、明確になった課題に対しては改善策となるアクションプラン案も作成し、近く市民意見(パブリックコメント)を募る。 ◇死者1人、浸水など710棟 市は台風14号で死者1人、浸水など710棟の住宅被害が発生したことから、昨年11月に検討会を開催。そこで出された意見を基に今年3月、市と消防、各区長会、民生・児童委員協議会、消防団、社会福祉協議会など約40人で構成する検証委員会を立ち上げた。 災害対応については被災住民や区長、民生・児童委員、社協、ボランティア団体などへのアンケートや意見交換も交えて問題点や課題を整理。6月までに4回の委員会を開き、「2022年度台風14号対応検証報告書」にまとめた。 ◇内水多発地区に浸水センサー、緊急避難できる仕組み構築 主な課題の一つとして、台風14号では周囲の状況が確認できない夜中から急速に内水の水位が上がったことで、明け方にかけて多数の住宅が床上浸水。このためアクションプランでは、内水が発生しやすい地区に浸水センサーを設置することとした。 該当する約20地区ではすでに昨年度から、どのように浸水が広がるかのメカニズムを分析調査中で今秋ごろまでに結果が出そろう予定。センサーは地区内で最初に水位が上がり始める場所へ設置する。 並行して、センサーが反応すると区長らへ連絡が入り、住民へ緊急避難の呼び掛けができる仕組みを構築。それにより逃げ遅れ防止や、避難所に向かうのが危険な状況でも自宅上階への垂直避難をしてもらうなど、命を守る行動などにつなげる。 来年の出水期に間に合うよう、2024年度当初予算での事業化を目指すが、浸水メカニズムの分析が早めに完了した地区には、年度をまたがずにセンサーを設置していくという。 一方、検証委員会は行政の役割について、危険が差し迫った状況でも自力での避難が困難な要援護者の支援により注力するよう要請。このため市は現在進めている個別避難計画の作成をさらに急ぐこととしている。 ◇有事の際−臨時の予備相談員を 台風の最接近時から通過後にかけて、市役所では市民からの電話が鳴りやまないケースが多く、台風14号でも職員が対応しきれない状況が発生した。この課題に対してアクションプランでは、災害時のみ招集して臨時勤務する「予備相談員制度」の創設を掲げた。 元消防職員や元自衛官、自治体で防災担当経験のあるOB・OGなどから採用。問い合わせや相談の多くは個人宅の災害復旧だといい、社協が運営する災害ボランティアセンターの補完的な役割も兼ねることとしている。 台風14号では活動を希望する災害ボランティアを、助けが必要な被災者側へとつなぐ受援体制が不十分だったとの検証結果も示されており、予備相談員を市社協へ派遣することも想定。罹災(りさい)証明書の発行は窓口まで足を運ばなくてもマイナンバーカードを活用してオンライン上で手続きできるシステムを早期に構築する。 ◇自ら逃げ、要配慮者は徹底支援を−アドバイザーの片田東大大学院特任教授 検証委員会のアドバイザーを務めた東京大学大学院情報学環の片田敏孝特任教授(日本災害情報学会会長)は、報告書に次のようなメッセージを寄せた。 台風14号の災害対応については、「称賛に値するほどの避難行動・自宅外避難率や高い防災意識など、望ましい結果がさまざまに見られた」と評価。一方で「1名の尊い命が奪われ、高齢化社会における避難支援や被災後の対応についての課題が浮き彫りになるなどの一面も見られた」と指摘している。 その上で、今回の報告書で挙げられた課題に対しては「今後さらに検討・対処を重ね、荒ぶる災害に対して向かい合えるような延岡へと、さらに発展させていかねばならない」と強調。市民の知識や危機意識の向上に加え、「もっと重要なのは避難意識を〃わがこと〃として持つことではないか」と訴えている。 地域防災については「自分で避難できる方々は自ら逃げ、主体性を発揮できない方々には徹底的な避難支援という議論が必要になると言える」とアドバイス。「延岡市では地区防災計画だけでなく個別避難計画にも先進的に取り組んでいる」として、今後の活動の広がりに期待を込めた。
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台風14号の検証委員会、災害対応への報告書を公表
◆明確になった課題に改善策−アクションプラン作成へ
延岡市は昨年9月に大きな被害をもたらした台風14号の災害対応に関する検証委員会(委員長・川順子九州保健福祉大学教授)の報告書を公表した。深夜から未明にかけて広がった家屋浸水、市役所に殺到した電話への対応、災害ボランティアの受援態勢など、明確になった課題に対しては改善策となるアクションプラン案も作成し、近く市民意見(パブリックコメント)を募る。
◇死者1人、浸水など710棟
市は台風14号で死者1人、浸水など710棟の住宅被害が発生したことから、昨年11月に検討会を開催。そこで出された意見を基に今年3月、市と消防、各区長会、民生・児童委員協議会、消防団、社会福祉協議会など約40人で構成する検証委員会を立ち上げた。
災害対応については被災住民や区長、民生・児童委員、社協、ボランティア団体などへのアンケートや意見交換も交えて問題点や課題を整理。6月までに4回の委員会を開き、「2022年度台風14号対応検証報告書」にまとめた。
◇内水多発地区に浸水センサー、緊急避難できる仕組み構築
主な課題の一つとして、台風14号では周囲の状況が確認できない夜中から急速に内水の水位が上がったことで、明け方にかけて多数の住宅が床上浸水。このためアクションプランでは、内水が発生しやすい地区に浸水センサーを設置することとした。
該当する約20地区ではすでに昨年度から、どのように浸水が広がるかのメカニズムを分析調査中で今秋ごろまでに結果が出そろう予定。センサーは地区内で最初に水位が上がり始める場所へ設置する。
並行して、センサーが反応すると区長らへ連絡が入り、住民へ緊急避難の呼び掛けができる仕組みを構築。それにより逃げ遅れ防止や、避難所に向かうのが危険な状況でも自宅上階への垂直避難をしてもらうなど、命を守る行動などにつなげる。
来年の出水期に間に合うよう、2024年度当初予算での事業化を目指すが、浸水メカニズムの分析が早めに完了した地区には、年度をまたがずにセンサーを設置していくという。
一方、検証委員会は行政の役割について、危険が差し迫った状況でも自力での避難が困難な要援護者の支援により注力するよう要請。このため市は現在進めている個別避難計画の作成をさらに急ぐこととしている。
◇有事の際−臨時の予備相談員を
台風の最接近時から通過後にかけて、市役所では市民からの電話が鳴りやまないケースが多く、台風14号でも職員が対応しきれない状況が発生した。この課題に対してアクションプランでは、災害時のみ招集して臨時勤務する「予備相談員制度」の創設を掲げた。
元消防職員や元自衛官、自治体で防災担当経験のあるOB・OGなどから採用。問い合わせや相談の多くは個人宅の災害復旧だといい、社協が運営する災害ボランティアセンターの補完的な役割も兼ねることとしている。
台風14号では活動を希望する災害ボランティアを、助けが必要な被災者側へとつなぐ受援体制が不十分だったとの検証結果も示されており、予備相談員を市社協へ派遣することも想定。罹災(りさい)証明書の発行は窓口まで足を運ばなくてもマイナンバーカードを活用してオンライン上で手続きできるシステムを早期に構築する。
◇自ら逃げ、要配慮者は徹底支援を−アドバイザーの片田東大大学院特任教授
検証委員会のアドバイザーを務めた東京大学大学院情報学環の片田敏孝特任教授(日本災害情報学会会長)は、報告書に次のようなメッセージを寄せた。
台風14号の災害対応については、「称賛に値するほどの避難行動・自宅外避難率や高い防災意識など、望ましい結果がさまざまに見られた」と評価。一方で「1名の尊い命が奪われ、高齢化社会における避難支援や被災後の対応についての課題が浮き彫りになるなどの一面も見られた」と指摘している。
その上で、今回の報告書で挙げられた課題に対しては「今後さらに検討・対処を重ね、荒ぶる災害に対して向かい合えるような延岡へと、さらに発展させていかねばならない」と強調。市民の知識や危機意識の向上に加え、「もっと重要なのは避難意識を〃わがこと〃として持つことではないか」と訴えている。
地域防災については「自分で避難できる方々は自ら逃げ、主体性を発揮できない方々には徹底的な避難支援という議論が必要になると言える」とアドバイス。「延岡市では地区防災計画だけでなく個別避難計画にも先進的に取り組んでいる」として、今後の活動の広がりに期待を込めた。