本紙掲載日:2023-07-25
(3面)

「ひなたWOMAN」(110)

JA延岡女性部・田中宮子さん

◆自慢の料理お裾分け

 気さくな人柄から多くの友人、知人がいる「ミヤちゃん」の元には、一年を通してタマネギやラッキョウ、ウメ、クリ、ヨモギ、ニンニクなど地元の新鮮食材が持ち込まれる。コロナ禍前はJA各支部の料理講習会などに引っ張りだこだった。

 「料理に興味を持ったのは、義理の姉さんの存在。本当に上手な人で、見よう見まねでやっているうちに楽しくなってきました。出掛けた先で何かおいしい物があれば、作り方をメモしたりなどして品数も増やしていきました」

 浜砂2丁目にある自宅の一角には、夫の進さん(89)が構えてくれた専用の調理場。3台の冷蔵庫と大型冷凍庫1台の中には、「農家さんのせっかくの心遣い。一つも粗末にできない」の思いから、下ごしらえした食材で常に満杯だ。

 レパートリーは幅広く、一品料理から酒のつまみ、漬物、団子、ヤマモモなどのジャム、ジュースなど何でもござれという。

 「食材を目の前にすると次々とアイデアが湧いてくるんです。出来上がった物を近所の独り暮らしのお年寄りや、知人、友人らにお裾分けするのが何よりの喜び。最近ではタケノコのきんぴらが評判いいんですよ」

 自宅から程近い長浜町で、7人きょうだいの下から2番目として生まれた。24歳で結婚し、36歳で保険外交員に。29年間の勤めで受けた恩は数知れず、今はそれを返すつもりで活動に励んでいるという。いつも陰で支えてくれる夫とは晩酌を欠かさない。

 「料理をし始めたら、時間を忘れて流しの前に立っているんですよ。『少しゆっくりすれば』という方もいますが、私にとってはそれは『死ね』ということ。皆さんの『おいしかったよ』の笑顔を励みに、体が動く限り続けていきたいですね」

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