本紙掲載日:2023-07-29
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日之影町で西南戦争展

日之影町立図書館で開かれている西南戦争に関する成果展示会

決戦、大台場・出土の銃弾など展示

◆9月24日まで町立図書館

 日之影町で出土した西南戦争にまつわる品を展示する「日之影の西南戦争〜決戦!!大台場」が、同町立図書館で開かれている。9月24日まで。入場無料。時間は午前9時〜午後7時(土日は午後5時まで)。毎週月曜日と毎月最終木曜日、祝日、9月19日は休み。主催は県埋蔵文化財センター(吉本正典所長)。

 発掘調査の成果を地域に還元し、遺跡の価値を再認識してもらうことで貴重な文化財を守り、引き継ぐ気風を高める成果展示会の一つ。毎年さまざまな出土品を県内各所で公開しており、西南戦争に関する展示は同町で初めての開催となる。

 2020年に着手した調査で、岩井川地区の大楠台場群3号(通称・大台場)から出土した銃弾や煙管(きせる)、当時の通貨など45点を展示。幕末に導入され、主力として使用されたフランス製の野戦砲「四斤山砲(よんきんさんぽう)」の砲弾片は、実物大の模式図と一緒に並べた。

 県埋蔵文化財センターによると、大台場は地元住民によって140年以上守られ、出土品の風化や破損は最小限に抑えられているという。堀田孝博副主幹(50)は「ふるさとに密接に関わる戦争の証がしっかりと残っている。ぜひ、足を運んで思いをはせていただければ」と呼び掛けている。

 西南戦争は1877年2月、不平士族に担がれた西郷隆盛(1828〜77年)が挙兵。当時の宮崎県は府県統廃合で鹿児島県の一部となっていたため、参戦することになった。

 日之影町は、敗走する薩軍とそれを追う政府軍の激戦地となったため、町内に多くの台場が築かれ、その史跡が数多く現存している。大台場は、薩軍が政府軍からの攻撃に備えた拠点であり、調査の結果、当時の状況をとどめた貴重な戦跡であることが判明した。

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