本紙掲載日:2023-07-31
(7面)

「伝統芸能絶やさない」

甲斐さん(右)に団七踊りの刀の振り方を教わる生徒たち
岡田さん(左)に棒術を教わる生徒

地元の棒術、なぎなた、団七踊り学ぶ−五ケ瀬中

 継承や郷土愛の醸成につなげようと、五ケ瀬町立五ケ瀬中学校(永富雅樹校長、65人)は毎年、「伝統芸能教室」として、全校生徒が地域の人から伝統芸能を学んでいる。

 新入生は町内に伝わる棒術、なぎなた、団七踊りから一つを選択。生徒たちは7月15日に営まれる祇園神社(同町鞍岡)の夏季大祭や10月の文化発表会で披露している。教室は今年度、全5回あり、6月30日に4回目が行われた。

 この日は、鞍岡地区から真影タイシャ流棒術保存会の岡田正広さん(70)、鞍岡長刀(なぎなた)保存会の篠原作弘さん(76)、陣馬場団七踊り保存会の甲斐秀實さん(75)らを招き、それぞれ約20人が稽古に臨んだ。

 生徒は既に、基本的な動きは学習済み。いずれの教室も太鼓や鉦(かね)、囃子(はやし)の音色に合わせて練習を繰り返し、道具の扱い方や難解な立ち回りのこつなどを教わった。

 各指導者のお手本を見よう見まねで再現しようと試みる生徒や、経験を積んでいる3年生が1、2年生に手ほどきする場面もあり、貴重な時間を無駄にしまいと熱心に取り組む姿が多かった。

 なぎなたを選択している2年の松田花音さん(13)は「小学生の時から練習していて、かっこいいと思っていたので選びました。卒業後も続けたい気持ちがあり、伝統芸能を絶やさないように頑張りたい」と笑顔。

 指導した篠原さんは「高齢化が進む中、教育機関が継承活動に理解を示してくれることは本当に心強い。稽古を通して五ケ瀬町の良さをたくさん知ってもらい、一人でも伝統芸能に興味を持ってくれる子どもが増えるとうれしい」と話した。

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