本紙掲載日:2023-08-02
(7面)

地元の豊かな生態系知る

家族連れが昆虫採集−高千穂

 高千穂町ユネスコエコパーク推進会議(木下和幸会長)の「エコパーク昆虫教室」が15、16日、同町内であった。このうち15日は、五ケ所高原ひめゆりセンターで夜間の部があり、町内の家族連れ10組30人(うち子ども17人)が、多種多様な昆虫採集を楽しんだ。

 教室は、2017年にユネスコエコパークに認定された祖母・傾・大崩山系の生態系を肌で感じ、自然を大切にする心を養ってもらおうと翌18年にスタート。宮崎昆虫調査研究会長の岩郁雄さん(68)らを講師に招き、毎年行っている。

 冒頭、岩さんが昆虫の捕まえ方や触ると危ない種類が存在することなどを説明。「すぐに捕まえるのではなく、よーく観察しながら捕まえてみて」と呼び掛けた後、実物を見せながら標本の作り方やこつを教えた。

 図鑑を使ったクイズもあり、盛況の間にすっかりと日が落ちた。夕闇に溶け込んだ周囲の雑木林からヒグラシやニイニイゼミの鳴き声が響く中、白い布と照明を組み合わせる「ライトトラップ」で昆虫を誘引。ピカピカの虫取り網や虫籠を持参した子どもたちは、待望の採集に乗り出した。

 縦横無尽に動き回る昆虫に及び腰になりつつ、悲鳴を上げながらも手頃な昆虫を素手や網で捕獲。次第に慣れ始め、「捕まえた!」「でかい!」「よっしゃー!」といった歓声も飛び交うようになったが、講師への質問や図鑑とのにらめっこも忘れず、熱心に学ぼうとする姿が多く見られた。

 父親の祐介さん(37)と参加した田圭一郎さん(8)は「虫が好きなので楽しかった。捕まえ方とかが勉強になったので、夏休みにカブトムシやクワガタを捕まえてみたい」とにっこり。

 岩さんは「高千穂町は本当に自然が豊かで恵まれている。ネットや図鑑で知識ばかり身に付けるのではなく、小さい頃から深みのある実体験を積み重ねることで、自然に対する愛情を育んでほしい」と話した。

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