本紙掲載日:2023-08-03
(2面)

より良い教育実践へ

小中学校の教職員を対象に開かれた研修会
グループワークをする教諭ら

小中学校教諭が研修会−日之影町

 教職員としての使命や責任を再認識し、教育実践に生かしてもらおうと日之影町教育委員会(橋本範憲教育長)は7月28日、町内小中学校の教諭(事務職員を除く)を対象に研修会を開いた。約40人が参加し、講話やグループワーク、町内巡検を通してより良い教育の在り方を模索した。

 年度初めと夏休み中に行う恒例行事で、今回は町教委指導主事の奈須康浩さん(40)が、昨年12月に改訂された生徒指導提要に基づく教育の方向性などを解説。「日之影町で育みたい子どもの姿について」をテーマに意見交換し、町内の史跡や観光コースを巡った。

 このうち、生徒指導提要に関する講話では、先行きが不透明で将来の予測が難しい状態を意味する「VUCA時代」の到来や多様な背景を持つ児童生徒が増えていることなどから、子どもたちを守るためのリーガル・ナレッジ(法の理解)の必要性が改訂要因にあることなどが紹介された。

 奈須さんは生徒指導について、「学校の教育目標を達成する上で重要な機能を果たすものであり、学習指導と並んで重要な意義を持つ」と強調。改訂前後の指導目標を引用し、従来の自己存在感の感受▽共感的な人間関係の育成▽自己決定の場の提供を目指す「生徒指導の3機能」に加え、子どもたちが失敗を恐れず挑戦できる安全・安心な風土の醸成を学級づくりに求めた。

 日之影中2年の担任を務める中村亮介さん(30)は「小学校の教育事情が聞ける機会は少ないので勉強になった。個人的には生徒の課題点に目が向きがちなので、褒めて自信を持ってもらうという指導にも積極的に挑戦したい」と感想。

 橋本範憲教育長は「子どもたちは日之影町の未来を担う大切な存在であり、健全な育成には先生方の協力が不可欠。生徒指導や町についての理解を深め、今後の教育実践に向けて有意義な機会にしてもらえれば」と話した。

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