本紙掲載日:2023-08-08
(3面)

甘み強いブドウの「藤稔」ブランド化して全国に

藤稔の収穫に精を出す木原さん

北浦町古江で新規就農−初収穫の木原さんが意欲

 今年4月にブドウ農家として新規就農した延岡市北浦町古江の木原専二さん(54)が、初の収穫作業に追われている。品種は甘みが強く巨峰よりも粒が大きいと評判の「藤稔(ふじみのり)」で、同町特産のブドウとしてもこの時期に人気が高い。今季は約2700房が収穫できる見込みで、JA延岡の「ふるさと市場」など産地直売所の店頭に並ぶほか、個人販売も行っている。

 果樹農家は通常、植栽してから収穫できるようになるまで数年かかるが、地元のブドウ農家から果樹園を引き継いだ木原さんは、最初の年から大忙し。

 元JA延岡の職員で金融、共済のほか営農の知識も豊富だった木原さん。数年前から転職を考えており、「何かやりたい」と思い悩んでいたところに、体力の限界を感じていた地元のブドウ農家から「やってみないか」と相談を受けた。「これだ」と思った木原さんは家族とも相談して3月に退職、農業への第一歩を踏み出した。

 昨年9月の台風で破損していたハウス修理からスタートし、さらに果樹の手入れは剪定(せんてい)に葉の間引き、果樹のための土づくりと、引き継いだものとはいえ、油断すれば結果は収穫期に表れる。

 出だしから気を抜けない日々だったが、親戚や先輩でもある地元のブドウ農家のアドバイスもあって、1年目から木原さんの努力は報われる形となった。「たくさんの方のご協力と支援がなかったら、収穫にこぎつけられたかどうか分かりません。皆さんには感謝しかありません」と感謝の気持ちをかみしめる。

 今後は新たな品種の導入も考えながら、ブドウ農家としてキャリアを重ねる。「北浦のブドウをブランド化して全国に広められれば」と意欲を見せていた。

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