本紙掲載日:2023-08-10
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繁殖農家を緊急支援−JA宮崎経済連

緊急支援事業について説明するJA宮崎経済連の坂下代表理事会長ら

競り価格40万円以上に5万円

 JA宮崎経済連(坂下栄次代表理事会長)は9日、最近の和牛子牛相場が大きく低迷していることを受け、県内の子牛競り市で繁殖雌牛素牛を購入した繁殖農家を助成する緊急支援事業を行うと発表した。事業費は総額約1億6千万円。

 全国配合飼料供給安定基金に加入している県内の系統肉用牛繁殖経営体が対象。県内の7市場で9〜12月に行われる子牛競り市で、競り価格40万円(税抜き)以上の繁殖雌牛素牛に対し5万円を助成する。1経営体当たり10頭が上限。全体で約3千頭分を見込む。

 支援を受けるには、競り終了後に各農協に血統書・競り払証のコピーを提出し、各農協は月ごとに取りまとめた上で翌月15日までに様式を同経済連に提出。同会は内容を確認し、適正と認められたものについて支出を行う流れになるという。

 県内の子牛競り市の平均価格は、直近の7月期で約50万5千円で、前年同月の約60万2千円に比べて約10万円の下落。飼料や資材の高騰などで子牛を購入する肥育農家の経営が厳しいことが、子牛価格低迷の要因とみている。

 このままでは繁殖農家の離農など生産基盤の減退が懸念されるため、繁殖農家が優良な雌子牛を購入し、繁殖雌牛の更新や増頭を目指す取り組みを支援。魅力の高い子牛の生産体制を整備することで、繁殖基盤の維持・強化につなげたい考え。

 宮崎市のJAビルで会見した坂下会長は「宮崎は全国に子牛を販売する県。この基盤が崩れると中山間地を含む地域まで崩壊する。農家に意欲喚起してもらい、元気を取り戻してほしい。子牛が安いということは、導入や入れ替えをするのに一番良い機会でもある」などと話していた。

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