本紙掲載日:2023-08-12
(2面)

本のある空間で芸術作品を

門川出身−黒田千穂美さん作品展

◆15日まで、エンクロス・延岡

 門川町出身の芸術家・黒田千穂美さん(60)=宮崎市=の作品展「鳥に託す」が、延岡市幸町の市駅前複合施設エンクロスで開かれている。「芸術はカジュアルなもの。洋服を選ぶような感覚で作品を見てもらえるとすごくうれしい」と来場を呼び掛けている。15日まで。入場無料。

 黒田さんは旧北郷村(現在の美郷町北郷)生まれ。生後間もなく門川町に移り、日向高校卒業後は横浜市の短大で美術を専攻。東京で美術作家グループの一員として活動後、帰郷し、県内でアート活動を続けてきた。

 作品展は、県芸術家支援プログラムを受けて県内4カ所で開催。「美術館など展覧会の会場に行かなくてもアートはある」と場所選びからこだわり、「本のある空間でできれば」と、県北では同館を選んだ。

 展示作品のうち、「哀(かな)しき惑星」のシリーズは「私たち人類、このままでいいのか」という問いが込められている。

 陶器の上に無数のくぎが重ねられた作品は、ウクライナ情勢が背景にあるという。「アートを楽しむ知恵があるのに、核も地球環境も守れない。本当にこれでいいのか」。思わず出てしまうため息を作品に反映した。

 会場には、「書にとらわれない。既成概念に収まらない人だなと思った」と黒田さんが評する宮崎市出身の書道愛好家・戸高海さん(21)=京都市=とのコラボ作品も展示。本のある空間に溶け込んだ芸術作品を楽しむことができる。

 「苦しみとかを深く見れる勇気をアートは与えてくれる。作品を通して心の嫌な部分、悲しみを深く見つめるきっかけになれば」と黒田さん。開場は午前8時〜午後9時。15日は午後5時まで。

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