本紙掲載日:2023-08-14
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深刻な教員不足、人材確保へ説明会

教員の人材確保に向け、ペーパーティーチャーを対象に行われた魅力発信説明会(県立図書館)

延岡市など3会場で先生の魅力発信−県教委

◆免許所有も勤務経験ない人対象

 県教育委員会はこのほど、教員免許は所有しているものの学校での勤務経験がない人ら、いわゆるペーパーティーチャーを対象にした説明会を宮崎、都城、延岡市の3会場で初めて開いた。教員のなり手不足が深刻化する中、教育現場で働くことの魅力を発信し、人材確保につなげる。

 教職員課によると、公立学校の2023年度の教員採用者数は358人で12年度の120人に比べ約3倍に増加する一方、23年度の採用倍率は3・2倍で12年度の14・2倍から減少。定年に伴う大量退職で採用枠が広がる中、教員志願者が減少傾向にあることが倍率低下の要因という。

 説明会は教育現場で働く人材確保を目的として、教育免許状は持っているが学校での勤務経験がない人、さまざまな理由で教職を長期間離れている人、その家族らを対象に開催され、3会場で計59人(宮崎市36人、都城市15人、延岡市8人)が参加した。

 このうち県立図書館で行われた宮崎会場では、県教委の担当者が本県の教育の状況はじめ、臨時的任用講師や会計年度任用職員、スクール・サポート・スタッフなどさまざまな職種や報酬、教員採用試験の概要などを説明するとともに、個別相談にも応じた。

 また、「働く前に学び直しができないか」「本当に働けるだろうか」など不安を抱えた参加者に向け、公立学校教育を目指す学生や社会人らが実践的講座を通して教員の基本姿勢や授業づくりの基本、教育に対する知見を学ぶ自主研修「ひなた教師塾」などの制度についても紹介した。

 「子どもが学校に行っている時間に教育の仕事ができないかと思った」と参加理由を話す40代女性は、小学生2人を子育て中。「教員経験がなく不安なため、教員のサポートから始めて将来教壇に立てたらと考えている。いろんな話が聞けて一歩踏み出す機会になった」と話していた。

 教職員の担当者は「予想を超える手応えを感じている。こうした取り組みで教員の魅力や仕事のやりがいなどを発信・周知することで、教育の仕事に関心を持つ方々の裾野を広げ、教員志望者を増やしていきたい」としている。

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