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子どもの心に染み込ませて
◆海沼実さんとゆりかご会来延 「第1回のべおか童謡コンサート」が7月30日、延岡市の野口遵記念館で開かれた。童謡作曲家海沼實(1909〜1971)の孫で、日本童謡学会理事長を務める実さん(50)と縁を持った市内の合唱指導者たちが、「延岡を童謡のまちにしたい」と実行委員会(工藤由紀子会長)をつくり、市民まちづくり活動支援事業の助成で開いた。 ◇出演者、来場者一緒に歌う−地元の合唱団もゆかりのある歌など斉唱 会場は、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の来場者で満席。同市の澤野幸司教育長が「主食の学校教育では補えない、心の栄養になるのが童謡。きょうは心の栄養をたっぷり取ってください」と呼び掛けて開演した。 実さん率いる音羽ゆりかご会は4年ぶりの来延。実さんによる曲の解説を交えながら、北原白秋から会歌として贈られたという「ゆりかごの歌」をはじめ、「めえめえ児山羊(こやぎ)」「やさしいおかあさま」など童謡9曲と唱歌「ふじの山」を、澄んだ歌声で斉唱。最近の曲の中からも、歌い継ぎたい曲として「いのちの歌」(竹内まりや作詞、村松崇継作曲)を二部合唱で歌った。 地元からは、工藤会長が指導する延岡少年少女合唱団と、中島玖美子副会長が指導するシルバーコーラスグループ「東海さわやかコーラス」と「コールなでしこ」の合同合唱団が「延岡童謡を歌い繋(つな)ぐ会」の名称で出演。 延岡少年少女合唱団は、地元に縁のある曲を中心に歌った。「たなばたさま」を作詞した権藤はなよの夫は、延岡出身の声楽家権藤円立。本居長世作曲「ダリヤ」と弘田龍太郎作曲「めだかごっこ」は歌人若山牧水の作詞。 また、同市の郷土玩具をモチーフに、元延岡市立図書館長の九鬼勉さん(72)が作詞作曲した「のぼり猿」も歌った。「歌えば、延岡の歴史が自然と分かるように作った」と九鬼さん。軽快なリズムが好評で、同合唱団でも人気曲になっているという。この日は、マスコットキャラクター「のぼるくん」も登場して、さらにステージを盛り上げた。 最後の第3部は「ご一緒に声高らかに」。音羽ゆりかご会、延岡少年少女合唱団、延岡童謡を歌い繋ぐ会がステージに上がり、海沼實の代表作「みかんの花咲く丘」、小山作之助作曲「夏は来ぬ」などを、出演者も来場者も一緒になって歌った。 5人の子の父親でもある実さんは「世代を超えて、お金をかけずに楽しく子育てできるのが童謡。子どもの心に染み込むように、童謡をいっぱい歌ってほしい。童謡・唱歌をご存じのご高齢の方々は、ますます長生きをして、これらの歌の良さを伝えてほしい」と話した。 第2回は来年7月28日、同会場での開催が決まっており、個人や家族単位などで出演できる参加型コンサートにする予定という。工藤会長は「次は聞くだけでなく、ステージに立ってください」と呼び掛けた。 ◇地元の合唱団もゆかりのある歌など斉唱 コンサートでは、実さんのミニ講演もあった。 近年では「童謡・唱歌」とひとまとめにして呼ばれることが多いが、本当は全く違うもの。 唱歌は、標準語を教え、日本人として持つべき感覚を持たせることを目的に、学校教育の教材として作られた。文語体で書かれており、教訓のような歌詞が多い。 例えば、1910年に発表された「ふじの山」は、多くの人を指導できるような立派な人になれとの願いが込められており、歌っているうちに何となく背筋が伸びる。1881年に作られた「蛍(ほたる)の光」の4番の歌詞には、当時の日本の領土が歌い込まれている。 一方、童謡は、子どもに身近な内容が、分かりやすい口語体で書かれている。唱歌を推す教育者からは「低俗だ」と言われて、敵対したこともあったという。 童謡の歌詞は分かりやすいが、当代随一の文学者たちの作品であり、意味は深い。 西條八十作詞「かなりや」は、鳴かなくなってしまったカナリヤを「後ろの山に棄(す)てましょか」「柳の鞭(むち)でぶちましょか」などの歌詞が「残酷だ」と言われるが、最後は「象牙(ぞうげ)の船に銀の櫂(かい)、月夜の海に浮かべれば忘れた唄(うた)をおもい出す」。つまり、本来の自分を取り戻させるには、リラックスさせることが大事だと歌っている。 「赤い鳥小鳥なぜなぜ赤い、赤い実をたべた」の「赤い鳥小鳥」(北原白秋作詞)は、子どもよりも親がどきりとする内容。純真な子どもは環境によってさまざまな色に染まる。「本当は赤い鳥なのに、与えるものを間違って、青い鳥にしてしまった」ということのないようにしようという意味がある。 海沼實の代表作の一つ「お猿のかごや」(山上武夫作詞)は、かごの前を海沼、後ろを同郷の後輩である山上が担ぎ、2人で音楽の道を進んでいくというイメージで作られたという。 実さんは、童謡・唱歌をただ歌うのではなく、歌詞を音読したり解説を聞いたりして、歌の情景を想像しながら歌うことを推奨している。今回のコンサートでも解説を交えて聞く人の理解を助け、歌詞を味わうことの良さを、実践で示した。 実さんは、歌う前に読み聞かせる物語と、それぞれの曲の楽譜も入った本「海沼実の唱歌・童謡読み聞かせ」の1、2を出版しており、実行委員会でも取り扱っている。また、海沼實没後50年を記念した音羽ゆりかご会のCD「童謡のかみさま」と、童謡100年・音羽ゆりかご会85周年記念盤「ゆりかごの歌」(CD)も扱っている。 問い合わせは、中島副会長(箟箍35・8418)まで。
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子どもの心に染み込ませて
◆海沼実さんとゆりかご会来延
「第1回のべおか童謡コンサート」が7月30日、延岡市の野口遵記念館で開かれた。童謡作曲家海沼實(1909〜1971)の孫で、日本童謡学会理事長を務める実さん(50)と縁を持った市内の合唱指導者たちが、「延岡を童謡のまちにしたい」と実行委員会(工藤由紀子会長)をつくり、市民まちづくり活動支援事業の助成で開いた。
◇出演者、来場者一緒に歌う−地元の合唱団もゆかりのある歌など斉唱
会場は、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の来場者で満席。同市の澤野幸司教育長が「主食の学校教育では補えない、心の栄養になるのが童謡。きょうは心の栄養をたっぷり取ってください」と呼び掛けて開演した。
実さん率いる音羽ゆりかご会は4年ぶりの来延。実さんによる曲の解説を交えながら、北原白秋から会歌として贈られたという「ゆりかごの歌」をはじめ、「めえめえ児山羊(こやぎ)」「やさしいおかあさま」など童謡9曲と唱歌「ふじの山」を、澄んだ歌声で斉唱。最近の曲の中からも、歌い継ぎたい曲として「いのちの歌」(竹内まりや作詞、村松崇継作曲)を二部合唱で歌った。
地元からは、工藤会長が指導する延岡少年少女合唱団と、中島玖美子副会長が指導するシルバーコーラスグループ「東海さわやかコーラス」と「コールなでしこ」の合同合唱団が「延岡童謡を歌い繋(つな)ぐ会」の名称で出演。
延岡少年少女合唱団は、地元に縁のある曲を中心に歌った。「たなばたさま」を作詞した権藤はなよの夫は、延岡出身の声楽家権藤円立。本居長世作曲「ダリヤ」と弘田龍太郎作曲「めだかごっこ」は歌人若山牧水の作詞。
また、同市の郷土玩具をモチーフに、元延岡市立図書館長の九鬼勉さん(72)が作詞作曲した「のぼり猿」も歌った。「歌えば、延岡の歴史が自然と分かるように作った」と九鬼さん。軽快なリズムが好評で、同合唱団でも人気曲になっているという。この日は、マスコットキャラクター「のぼるくん」も登場して、さらにステージを盛り上げた。
最後の第3部は「ご一緒に声高らかに」。音羽ゆりかご会、延岡少年少女合唱団、延岡童謡を歌い繋ぐ会がステージに上がり、海沼實の代表作「みかんの花咲く丘」、小山作之助作曲「夏は来ぬ」などを、出演者も来場者も一緒になって歌った。
5人の子の父親でもある実さんは「世代を超えて、お金をかけずに楽しく子育てできるのが童謡。子どもの心に染み込むように、童謡をいっぱい歌ってほしい。童謡・唱歌をご存じのご高齢の方々は、ますます長生きをして、これらの歌の良さを伝えてほしい」と話した。
第2回は来年7月28日、同会場での開催が決まっており、個人や家族単位などで出演できる参加型コンサートにする予定という。工藤会長は「次は聞くだけでなく、ステージに立ってください」と呼び掛けた。
◇地元の合唱団もゆかりのある歌など斉唱
コンサートでは、実さんのミニ講演もあった。
近年では「童謡・唱歌」とひとまとめにして呼ばれることが多いが、本当は全く違うもの。
唱歌は、標準語を教え、日本人として持つべき感覚を持たせることを目的に、学校教育の教材として作られた。文語体で書かれており、教訓のような歌詞が多い。
例えば、1910年に発表された「ふじの山」は、多くの人を指導できるような立派な人になれとの願いが込められており、歌っているうちに何となく背筋が伸びる。1881年に作られた「蛍(ほたる)の光」の4番の歌詞には、当時の日本の領土が歌い込まれている。
一方、童謡は、子どもに身近な内容が、分かりやすい口語体で書かれている。唱歌を推す教育者からは「低俗だ」と言われて、敵対したこともあったという。
童謡の歌詞は分かりやすいが、当代随一の文学者たちの作品であり、意味は深い。
西條八十作詞「かなりや」は、鳴かなくなってしまったカナリヤを「後ろの山に棄(す)てましょか」「柳の鞭(むち)でぶちましょか」などの歌詞が「残酷だ」と言われるが、最後は「象牙(ぞうげ)の船に銀の櫂(かい)、月夜の海に浮かべれば忘れた唄(うた)をおもい出す」。つまり、本来の自分を取り戻させるには、リラックスさせることが大事だと歌っている。
「赤い鳥小鳥なぜなぜ赤い、赤い実をたべた」の「赤い鳥小鳥」(北原白秋作詞)は、子どもよりも親がどきりとする内容。純真な子どもは環境によってさまざまな色に染まる。「本当は赤い鳥なのに、与えるものを間違って、青い鳥にしてしまった」ということのないようにしようという意味がある。
海沼實の代表作の一つ「お猿のかごや」(山上武夫作詞)は、かごの前を海沼、後ろを同郷の後輩である山上が担ぎ、2人で音楽の道を進んでいくというイメージで作られたという。
実さんは、童謡・唱歌をただ歌うのではなく、歌詞を音読したり解説を聞いたりして、歌の情景を想像しながら歌うことを推奨している。今回のコンサートでも解説を交えて聞く人の理解を助け、歌詞を味わうことの良さを、実践で示した。
実さんは、歌う前に読み聞かせる物語と、それぞれの曲の楽譜も入った本「海沼実の唱歌・童謡読み聞かせ」の1、2を出版しており、実行委員会でも取り扱っている。また、海沼實没後50年を記念した音羽ゆりかご会のCD「童謡のかみさま」と、童謡100年・音羽ゆりかご会85周年記念盤「ゆりかごの歌」(CD)も扱っている。
問い合わせは、中島副会長(箟箍35・8418)まで。