本紙掲載日:2023-08-19
(3面)

0歳から始める性教育−延岡市で啓発イベント

人権の視点で包括的に−生活の中で伝え自分も相手も大切に

 日本いのち心アカデミー協会(水野弥生代表)主催の啓発イベント「0歳から始める性教育」がこのほど、延岡市の延岡総合文化センターであり、大勢の親子が訪れた。

 この日は「海の日」。同協会は昨年6月に「海」を出産の「産み」にかけて「性教育を考える日」と申請し、認定された。この記念日に合わせて、性を人権の視点で捉える「包括的性教育」の必要性を認識してもらうために開催した。

 同センター小ホールであったセミナーでは水野代表が性教育について講話。SNS(インターネット交流サイト)から入手した誤った情報を信じてしまう子どもたちに対して、水野代表は「大人が正しい情報を伝えなければいけない」とし、性教育の重要性を説いた。

 水野代表によると、性被害を受けた割合のうち性的暴行は約半分が19歳以下で、強制わいせつは男性が12歳以下、女性は19歳以下が全年齢層の半分以上を占めているという。この現状を受けて性被害は年齢や性別に関係ないことを呼び掛けた。また、性教育を行った結果として「自分を大切にすることができる」「性犯罪の加害者、被害者にもならない」などを挙げ、「社会問題になっている少子化、不妊問題、相対的貧困を性教育で少しではあるが解決できる」と話した。

 セミナー後、読谷山洋司市長、助産師を目指す学生、思春期の子どもを持つ保護者とのパネルディスカッションも行われ、性教育について意見を交わした。水野代表は「性教育は特別なものではなく、日々の生活に密接する。生活の中で性を伝え、自分のことを大事に思うことができれば相手のことも大切にでき、不本意な性交渉がなくなり性被害もなくなる」と締めくくった。

 また、同センターの会議室や研究室などでは、性教育に関する絵本や生理用品の展示、タンポンとナプキンの吸収力を試す実験のほか、子宮に見立てた毛布にくるまって生まれる瞬間の体験コーナーや赤ちゃんのハイハイ競争なども開かれた。

 同市瀬之口町から0歳と4歳の子ども2人を連れて訪れた福富早培さん(32)は「0歳からの性教育は大事だと思っていたが、どのように教えたらいいか分からなかった。これからもこのようなイベントを頻繁に開いてほしい」と話していた。

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